内容説明
生命の樹を植える誕生日に核戦争は起こった。タルコフスキーが、彼の遺作となった「サクリファイス」撮影のため、自ら書いた原作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tow
7
詩を連ねた感じの小説か。文字で追っても脳内では映画が再生される。2017/03/31
金北山の麓に生まれ育って
4
映画の原作(監督自身が書いた)です、映画を観てから読むのでイメージ豊富に読めます。映画がイメージの奔流で筋が(微妙に違いますが)よく解らなかったのが、筋なりテーマがスッキリ伝わりました。でもスッキリ解らない方がなんだかよく解らないゆえの神秘性でありがたがったりもするわけです、例えたら「2001年宇宙の旅」も原作を読むとけっこう分かりやすい単純な話でスッキリするけど、逆にありがたみが減って残念な感じになりますよね、あれと同じなのかな?短くて読みやすかった。2019/09/20
kentaro mori
3
⚫︎「どうした?怖くないよ!怖くないさ、坊や!死なんてないんだから。あるのは、実際、死の恐怖だけさ。この恐怖はとても忌わしいもので、そのため、多くの人は、してはならないことをしてしまう••••••いいかい、みんなが死を怖がらなくなれば、すべてがすっかり変わるんだ、そうだろう?」⚫︎「主よ!この恐ろしいときに、私たちをお救いください!••••••私の子供たちと友人たち、妻、そしてヴィクトルを滅ぼさないでください!みなを救ってください、あなたを愛し、あなたを信じる者も、また盲目であり、あなたのことを考えたこと2024/12/10
MO
3
映画は何回か見たので、場面やセリフを覚えている。読む前には、もう観ている映画のシナリオを見て面白いのだろうか、と自問したが全くの杞憂でした。映画はロシア語もわからないし、字幕の制限もあるので細かな言葉の違いは気にする所ではないけど、明らかに場面が違うところがある。タルコにとて映画が表現の完成形なのでそちらを受け止めるのが正解なのだろうけど、変更点を見ることによって、彼の意図や意味付けが明確になって一層、映画への理解が進んだ。映画内で気になっていた点も納得できた。2021/03/07
ソニックゆうすけ
2
タルコフスキー、あれだけ長時間の映画なのに、本だとこんなに薄っぺらい。やっぱり映像の詩人と言われる監督だけあって、映画で見るべき作品なんだろうな、と思いました。2017/03/04