内容説明
文芸復興(ルネッサンス)を推進した巨星の生涯。絶対権力者ローマ法王のもとで無知迷妄が支配していた長い暗黒の中世に、近代の曙光がさしはじめた。この15世紀イタリアの溌刺たる時代精神の最大の具現者ダ・ヴィンチの生涯を描き、ルネッサンスと封建主義の対立を浮彫りにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆーかり
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レオナルド・ダ・ヴィンチの観察の目に触れると、晴れ晴れとして具合が良くなったので、俄かに、この著作を読む気になった。レオナルドを取り巻いていた時代感覚を掴みたいという気持ちもあった。ジョヴァンニがレオナルドを解釈しきれずに苦悩したり、サヴォナローラの元で燃やされてゆく神々、特にレオナルドのレダの微笑みを目の当たりにするなど、物語の中に入り込む上で、良いキーパーソンとなってくれた。レオナルドは、開かれた目で自然を観察していただけでなく、キリスト教と自然とを解き合わせるのに苦労する人だったのかと想像。2015/12/06