出版社内容情報
【目次】
内容説明
安居酒屋「宵吉」で働く獅子男は、繁華街でカツアゲを試みる高校生のうた子を拾った。バイト先を紹介し、護身術を教え込むが、彼女はむしろ暴力に爛々と目を輝かせて―。松戸駅前で出会ったふたりの、恋でも友情でもない奇妙な連帯。自分の法を作って生きる若者たちのサバイバル青春長編!
著者等紹介
古谷田奈月[コヤタナツキ]
1981年、千葉県我孫子市生まれ。2013年「今年の贈り物」で第二五回日本ファンタジーノベル大賞を受賞、『星の民のクリスマス』と改題し刊行。17年、『リリース』で第三四回織田作之助賞受賞、18年「無限の玄」で第三一回三島由紀夫賞受賞。19年、『神前酔狂宴』で第四一回野間文芸新人賞受賞。23年、『フィールダー』で第八回渡辺淳一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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桜もち 太郎
20
一体何が起きたのか、何が起きるのか、うた子が最後に見たものは何だったのか、謎だけが残った。危なっかしくて生きた魚のような、むやみやたらと輝く瞳、食い逃げ犯を追いかけて殴り倒す、どうにもほっとけない「うた子」。そして彼女に生き抜く術を教え、どこまでも守り抜き「怒りを財産」にして生きる獅子男。二人の関係は兄妹のような感じがする、いや関係性はもっと深いかもしれない。うた子が感じた寒気と痛いほどの痺れはいったい何を表すのか。悪い予感しかしない。父の死、そして獅子男に何が起きたのか。不完全燃焼。もしかして純文学?→2026/03/13
練りようかん
19
松戸の居酒屋で働く2人。獅子男に認められたくてしょうがないうた子の気持ちが伝わってくる冒頭。しかし獅子男の思いはなかなか伝わらない。触られてもいやと言わないうた子の弁は物凄くわかるが、2m近くある若い男性に理解が難しいのも想像でき、身体の自己決定権をめぐる師弟関係に似た連帯を見守った。店内交通事故を頻繁に起こす自分の体に対する主体性の欠落、彼氏の体に意識を憑依させる触れられる性からの解放願望など深層の表し方が上手く、たまたま割り当てられた体をどうにか活かす獅子男の内実も引き込む力があって面白かった。2026/02/26
信兵衛
14
最後、う~ん、この展開をどう理解したら良いのだろうと頭を捻ってしまうのですが、そうした展開も含め、獅子男とうた子の様々な反応、そして、彼らの周辺人物たちも十分面白い。2026/03/07
たっきー
12
居酒屋で働く獅子男から行動するにあたっての判断「合法か非合法か」を教えられた高校生のうた子。追いかける・追いかけられるという関係や身体を動かすことにうた子は生きる意味やわくわくを感じているのかなと思った。途中、時間の流れがよくわからなくなるところもあったけど面白かった。2026/03/21
そうたそ
10
★★★☆☆ これまでの著者の作品にはない、明るさと疾走感に溢れた青春譚。居酒屋で働く獅子男が出会った高校生のうた子。バイト先を教え、護身術を教える中で、うた子は暴力に目を輝かせていく――。二人の関係は何とも独特。恋とも友情とも言い難い。そんな二人のどこか危なっかしい一部始終をずっと見守っていたくなる。生命力の煌々とした輝きを作中ずっと感じていた、そんな読み手までパワーをもらえるような作品だった。2026/02/16




