出版社内容情報
【目次】
内容説明
デビュー40周年記念小説。かつて女性作家が「女流」と呼ばれた時代があった―。創作をめぐる情熱と愛憎を描く、山田詠美の新たなる代表作。
著者等紹介
山田詠美[ヤマダエイミ]
1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞し、鮮烈なデビューを飾る。さらに87年『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』で直木賞を受賞。91年『トラッシュ』で女流文学賞、2001年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
147
自称?文壇のビッチこと、山田 詠美は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、著者40周年記念作、私小説的文壇小説でした。紫式部の「源氏物語」がある中で、女流も何もない気がしますが・・・ 蝶の数え方は「頭」が正式な単位だとは知りませんでした🦋🦋🦋 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039626/ 2025/11/07
buchipanda3
62
「女の作家は妖怪だらけだもん。特に、女流と呼ばれた人たちは、大妖怪」。女流作家という言葉、最近の風潮で使われないらしい。その言葉で呼ばれた最後の世代の著者が先駆者である三人の女流作家像を描き出しており、これが面白かった。フィクションだが実在した作家の要素を盛り込んでいるのだと思う。著者らしき人も登場する。編集者らの崇拝しつつ冷静な視線が良い。あと二人ではなく三人というバランスが絶妙。女だてらという目をいなし、しなやかに自らの欲望を捕まえて己が喜びと苦しみを文章で紡ぐ蝶たち。彼女らの愛おしき舞いが道を遺す。2025/11/22
ガットウ
22
★★★★4.4点。面白かった!読書好きが、読書好きに薦めたくなる1冊です。2025/11/05
ちーちゃん
18
最初は戸惑い(笑)尻上がりに面白くなって〜読了🌟作者の40周年記念は、エイミー色を抑えて…フィクションながら女流作家として君臨した3人の先輩方(河野多恵子、大庭みな子、瀬戸内寂聴(晴美))へのリスペクトと自身の作家人生を投影してると思う。自分のためでなく、これまでとこれからを託す使命感も。🦋蝶を一頭二頭と数えるとは知らなかったけど…蝶道があるのは知ってた、実際に沖縄でみたから。作家と編集者=書き手と伴走者…山の神域にスッと並んで吸い込まれるように飛んでいた蝶を思い出しつつ、今後は更に心して読まなくては2025/11/22
たっきー
15
女性作家が女流といわれた時代の作家3名を描いた物語。帯で引用された「作家は、脳内で人を死なせてこそ、花。そう思わない?」の台詞からかっこいい。「健全なんて、作家にとっては一番どうでも良いんじゃない?でもね、健全そうに見せてるだけで、内面にどす黒いものが渦巻いてる人もいるのよ」といった文章もぐっとくる。作家の業。2025/11/19




