内容説明
“男のくせにフェミニストやポリコレにおもねった”発信でメディアに引っ張りだこの後藤。ある日、職も金もなく“報われない男”・白瀬が、後藤の秘密を盾に脅迫してきて…。“ポリコレ系”文化人ד弱者男性”芸人。自らの“傷”を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末は―
著者等紹介
大前粟生[オオマエアオ]
1992年、兵庫県生まれ。2016年「彼女をバスタブにいれて燃やす」が「GRANTA JAPAN with 早稲田文学」の公募プロジェクトで最優秀作品として選出され、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きたさん
10
もう少し優しい(「甘い」という意味ではなくどちらかというと「穏やか」に近い)話を書く人というイメージがあったので、出てくる人が皆トゲをむき出しにしていることに衝撃を受けたのがまず印象的。それでも男性の側から見た「男性」の強要による生きづらさを描いているのは変わらずで、これまで読んだ本より少し深く掘り下げたような感覚がありました。2025/05/23
えつ
9
ポリコレ系文化人の後藤×弱者男性芸人の白瀬。自らの傷を利用する2人の男。ある日、後藤の目の前に現れ、後藤を脅し、一緒に住むことになった白瀬。歪な同居生活の行く末は…。うん。読みやすい。大前さんの描く男社会は、生きづらさを感じた。閉塞感?がすごい。そして、男らしさに囚われている部分も。後藤と白瀬の2人の絡みをもう少し見たかったかもしれない。ただこういうセンシティブなことを扱った作品は苦手だなぁ…って思った。2025/05/26
そうたそ
7
★★☆☆☆ メディアに引っ張りだこのポリコレ系文化人・後藤のもとに、家に住ませるよう脅迫してきた職も金もない弱者男性芸人・白瀬。かなりエッジのきいたストーリーだったが、面白いかというとそれほど。個人的には響くものもあまりなく。2025/04/02
訃報
5
ただ自分の傷を傷だと認めることが、どれほど難しいか。濱口竜介の映画に出てきた、『暴力の詩』を思い出す。なぜあれを観ながらボロボロ泣いてしまったのかわからなかったけど、たぶん、ぼくが見て見ぬ振りをしてきた暴力や傷のことを、無意識に思い出させてくれたからだろう。この人の小説を読んで、ピンとこないとか、特に共感せずにいられる人は、大して苦しくないんだろうな、とか思ってしまう。ほんとうに辛いとき、この人の小説しか読めない。そういう風に書いている、と作者自身も言っていたけど2025/10/13
あきら
4
後藤将生は壁に落書きしているところを白瀬に撮影されてしまい、それをたてに脅され強引に同居生活に。最初は受け入れられずストレスだったが… 無自覚のいじめが彼にニッパーを描かせているのか?2025/07/01




