内容説明
山田孝雄生誕150年!山田国語学の神髄がここに。実在と形とは一緒である。国語そのものは、国語という形だけではないのであって、同時に日本人の精神の外形である。日本の言葉というものは結局日本思想である。日本思想以外に日本の言葉はない。―新字新仮名遣いによる、国語学の泰斗の名著復刊。
目次
国語の本質
国語とは何ぞや
国語国文の本旨と教育(教育の目的と文化の継承;教育と国語との関係;国語国文の本質;国語と教育との関係)
国語とその教育
著者等紹介
山田孝雄[ヤマダヨシオ]
1875年、富山市生まれ。国語学者、国文学者、歴史学者。中学校卒業後は独学で学習し、小、中学校の教師を務めた。その後、日本大学文学部国語科主任などを経て、東北帝国大学教授に。神宮皇學館大学学長、貴族院議員にも選出された。戦後、公職追放、その解除後、文化勲章受章。その学問の成果は、山田国語学、山田文法と称され、後世に影響を及ぼした。1958年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
2
著者生誕150周年の記念として復刊された書籍である。おおよそ昭和15年~昭和18年頃に書かれた文章が採録されている▼漢字廃止論に真っ向から反対するために、そもそも言語とは何かから掘り下げての語りは読み手に訴えかけるものがある。▼当時の国語教育の問題を指摘しつつも、語り続ける姿は、良き「先生」のお話であるといえよう。虚心坦懐に読むのが良いと思う。2025/02/07
さえもん
1
日本人は日本語で思考せざるを得ない。英語を母語とする人は英語で思考せざるを得ない。英語のIに当たる言葉は本当は日本語にはない。まず「自分」という確立されたものがあるという英語の出発点ともいうべきIが日本語にはないということは、人間関係はじめ物との関係・認識の仕方などについて本質的な差異があるということだ。この点に於いて、言語というものは思想と密接に結びついている。2025/03/09