内容説明
コメディが、時代劇だ、ミュージカルも…!子どもの頃から、あらゆる映画を見続けた井上ひさし。その映画履歴を克明に追い、映画がいかに作家の血肉となったかを初めて跡づけた、著者渾身の遺著。
目次
第1章 映画監督になりたかった!
第2章 山形・小松のシティボーイ遁走す
第3章 仙台第一高等学校時代のマドンナと恩師
第4章 大根女優キム・ノヴァックに惚れたあまり
第5章 わが師はブロードウェイ・ミュージカル
第6章 映画館の暗闇から井上ひさしは生まれた
第7章 特異な映画の見方こそ
第8章 『天井桟敷の人々』に魅せられた理由とフィルム修復
第9章 エリザベス・テイラーは別格
第10章 渥美清と「寅さん」と
第11章 恩送り
著者等紹介
植田紗加栄[ウエダサカエ]
東京都生まれ。編集者、ライター。慶應義塾大学文学部国文科卒。『エスクァイア日本版』などで編集、執筆に従事。2018年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
118
こまつ座の会員なので年に数本は井上ひさしの芝居を観ているが、若き日の井上さんが超のつくほどの映画少年だったことが原点にあると理解した。戦後どっと入ってきたアメリカ映画を舐めるように見て、何度観ても飽きさせない面白い物語を組み立てるノウハウを学んだだけでなく、芝居における音楽の重要性を会得したのだ。だからこそ井上芝居は早くからミュージカルの要素を取り入れて、ストレートプレイでも音楽との一体化が前提となった。井上さんは映画への道を進まなかったが、彼の書いた様々な芝居で演劇の世界を豊かにしたのは映画の力だった。2025/03/21
kinkin
77
2010年に亡くなった井上ひさしさん。彼が好きな映画について語ったり書かれた本を元に構成。彼は東北の田舎に生まれ育っていつも映画を見られる環境だったとは言い難い。しかしそんな中でも年に多くの映画を観た、これが後の井上ひさし氏を大成させた要因のひとつでもあると感じた。外伝というタイトルに少し違和感あり。井上ひさし 映画を語るとかそんなのでも良かったような・・・図書館本2025/05/18
yyrn
26
稀代の戯曲作家で小説家である井上ひさしの歩んだ道のりを、残された膨大な本や戯曲、掲載記事やインタビューなどの公開資料とともに、故人とのかかわりのあった方々への取材を通して、その人物像を浮かび上がらせようとした本。力作だと思う。特に、もっとも強く影響を受けた(生涯にわたって愛した)映画について語る氏の文章やコメントが、氏自身の人生を語っているようで、そのすごいシンクロ率?に驚くw。なお、氏を褒めたたえたい本だからか、先妻へのDVには一言の言及もなく、むしろ後妻との仲睦まじい関係が何度も述べられていて、⇒2025/04/20
O-chami
4
井上ひさし仙台一高時代…「面白いお話を考える職人になりたいので、仙台に来る映画を全部観て、お話の作り方の勉強をしたい。その為に午後の授業をさぼっていいですか?」と担任への無謀な申し出が叶えられ、そしてその20年後…1972年に37歳で直木賞受賞。そんな井上さんの青春時代と映画の関わりを追いかけ綴った渾身のドキュメンタリー作。BGMは、井上ひさしが大好きな映画からインスパイアされ、自らの戯曲 “夢の泪” で書き下ろした「空の月だけが明るい東京」~(空襲ですっかり焼け野原に化した東京が舞台で唄われます)🎶2025/08/04
Ryo Sogawa
2
井上ひさし氏の映画への愛について綴った作品。2025/04/22