内容説明
劉備、曹操、諸葛亮…。英雄たちの時代が幕を閉じる。輝きを失う魏・蜀・呉、司馬一族の世へ―。三国の滅亡と晋・初代皇帝誕生のドラマ。
著者等紹介
〓本〓史[ツカモトセイシ]
1949年、岡山県倉敷市生まれ。大阪で育つ。同志社大学文学部卒業後、印刷会社に勤務しながらイラストレーターとして活躍。89年、「第11回小説推理新人賞」(双葉社主催)最終候補に残る。96年、『霍去病』(河出書房新社)で文壇デビュー。古代中国を舞台にした作品を多数発表している。『煬帝(上・下)』(日本経済新聞出版社)で第1回歴史時代作家クラブ作品賞、『サテライト三国志(上・下)』(日経BP社)で第2回野村胡堂文学賞を受賞。父・〓本/邦雄創刊歌誌「玲瓏」の発行人も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
36
三国時代の最終的な勝者が司馬炎であることは子どもの頃から知っていた。でもそれだけ。本書のおかげで人物像をある程度掴めてありがたい。一方で三国志の肝は劉備と曹操、諸葛亮と司馬懿の人生を賭した信念の戦いだと再認識。どの国も創業期がピークで、帝一族の貴族化と歩調を合わせて堕落していくのが切ない。そもそも創業者自身がかつての冴えを失い我知らず暴君化。独裁君主の限界。劉備や曹操も天下を取って長生きしたら、あるいは同じ道を辿ったのだろう。八王の乱やその後の顛末を知りたくなった。同じ著者の「姜維」「趙雲伝」も読みたい。2025/01/13
まえぞう
29
趙雲伝、姜維に続く三国志ものです。魏が蜀を滅ぼし、魏から禅譲を受けて晋の初代皇帝となった炎の生涯が淡々と語られます。確かに、残った呉をも併呑して統一を成し遂げた皇帝ですが、祖父にあたる司馬仲達からの仕上げをしたわけで、それも伯父、父が早世したために回ってきたような人生にみえます。今回は、塚本さんの小説に良く出てくる怪しげな宗教の話しはみられませんでした。2025/01/24
星落秋風五丈原
26
厳密にいうと三国時代を終わらせた男では。三国志っていうと司馬遷の著作を思い出す。諸葛亮なきあとの蜀を見たくなかったなぁ。2024/12/11
Book Lover Mr.Garakuta
19
【図書館】【速読】:当時の権力争いの移ろいを感じながら読む。色々登場人物達が、それぞれの背景のもとに。こぎみ良く活躍するさまが面白かったですね。2025/05/11
明智紫苑
18
乱世の読了。現世も乱世、本の内容も乱世。前作『姜維』が以前と比べて「中庸化」していると思ったが、やはり塚本氏は塚本氏だった。宮城谷昌光氏の小説が精進料理なら、塚本靑史氏の小説はガッツリ脂っこい肉料理だ。私は桐野夏生氏の『グロテスク』のようなドロドロした世界観が好きなので、当然、塚本氏のような作風も好きである。続編として、「物語としての三国志」の「真のエンディング」である西晋の滅亡の話を是非とも読みたい。2025/01/23
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