内容説明
「真命の極み」を歌う、生きる。高き彼物忘らふべしや!批評の神様・小林秀雄をして、こういう文章にしか心を動かされなくなったと言わしめ、夭折の詩人・八木重吉の死後、その妻ともども愛した伝説の万葉歌人の魂の絶唱。小林の絶賛した「短歌百余章」、教え子・山口瞳の評伝小説も収録する、歌人の全貌。
目次
短歌百余章
家族、縁者とともに(わが心の日記;前の妻・今の妻;「吾妹子」の歌 ほか)
わが師の恩(歎異抄とわたし;盤珪和尚と私;秋艸道人會津八一先生 ほか)
あるがままのやわらかき心(あるがままに生きる;万葉集への親しみ;生活のなかの仏教 ほか)
小説・吉野秀雄先生(山口瞳)
著者等紹介
吉野秀雄[ヨシノヒデオ]
1902年、群馬県高崎生まれ。歌人、書家、随筆家。慶應義塾理財科予科から経済学部に進む。肺患で中退し、国文学を独習、会津八一、松岡静雄に私淑。万葉調の歌をよむ。最初の妻・栗林はつに死別した後、夭逝した詩人・八木重吉の妻であった八木登美子と再婚する。鎌倉アカデミアで教鞭も執った。1967年逝去。1967年、第1回迢空賞、没後、芸術選奨受賞
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京府生まれ。小説家、随筆家。鎌倉アカデミアで、吉野秀雄に万葉集、作歌研究を学ぶ。河出書房、国土社での編集者をへて、寿屋(現サントリー)で広告制作に携わった後、作家生活に。作品に、『江分利満氏の優雅な生活』(直木賞)、『血族』(菊池寛賞受賞)、などがある。雑誌『週刊新潮』連載「男性自身」は休載なく1614回続いた。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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