内容説明
生き残るために。ロックを続けるために。君はひとりじゃない/三十五年目の十二月八日パリに死す/再生せよと神が言ったそして僕等の人生は/還暦過ぎても若者である…松村雄策が「小説すばる」誌に4年間にわたって書き続けた連載エッセイ!「三十五年目の十二月八日」他を含む44回分を完全収録。
目次
1(コージョライズ;不思議な権利者 ほか)
2(我らはヘルス・エンジェルス;変化と結果 ほか)
3(四十四年目に完成した名作;君はひとりじゃない ほか)
4(とんでもない五か月だったな;疑惑の一番 ほか)
5(終わりは近づいている;それでは、皆さん、さようなら)
著者等紹介
松村雄策[マツムラユウサク]
1951年4月12日、東京に生まれる。1972年、雑誌「ロッキング・オン」創刊に関わり、編集部を経てその後歌手デビュー、『UNFINISHED REMEMBERS』などの作品を残し、文筆家として長く活躍。2015年、元ジャックスのメンバー・水橋春夫らによる水橋春夫グループに参加、一時的ではあったが音楽活動に復帰した。2022年3月12日、病気のため永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
17
前作『僕の樹には誰もいない』と同じ河出書房新社から、生前集英社の『小説すばる』に連載していた、ラストエッセイ群を版元の快諾の元、出版にこぎ着けました。流石坂本龍一の父親の血が流れる出版社。造本のセンスも極上で簡単には手放せない本です。ロック雑誌での連載では無いので、プロレス、相撲、野球、等にも触れて居ます。スターにインタビューして、『Xさんは、二歳しか違わない。となると聴いてた音楽も重なる事がすくなくない。音楽はこうゆう所が有難い。自動車が好きな外国人に話し掛けられたら、僕は寝たふりをするだろう。』同意!2024/03/24
amanon
4
前に出た『僕の樹に〜』の解説でも示唆されていたが、あれが最後に世に出た松村氏の著作ではなかったこことを、とにかく喜びたい。ビートルズ、野球、落語、プロレス…自分が好きなものにとことんまで拘り、熱く語るその姿勢は、趣味嗜好の違いを超えて、多くの人を魅了する。とりわけ本書は、個人的に殆ど興味のない野球と相撲についての記述が多くて、やや閉口したが、それでも氏の熱い語り口にひかれて、多少なりともそれらが魅力あるものに思えてくるのはささすが。ただ、途中脳梗塞発症による休載の顛末が、今となっては、何とも言えず悲しい。2024/03/29