出版社内容情報
遠藤周作生誕100年企画。単行本未収録の幻のエッセイの中から、表題作他、恋愛論を中心に貴重な美しい作品の数々を収録。真の愛の姿を追求した、若き日の鮮やかな筆致が蘇る!
内容説明
「愛」とは「情熱」の終わったところから始まる。一人の男と一人の女が、生涯離れず生きつづけること―究極の「愛」にせまる、単行本初収録作品の数々!
目次
1(現代誘惑論)
2(交際と恋愛の処方箋―あなたはどうすればよいか;二つの危険 ほか)
3(もう遅い、手遅れだ;浮気十戒 ほか)
4(無名のヴァイオリニスト;ロビンヌ夫人―異国で知った第二の母 ほか)
5(心苦しい善意;気胸 ほか)
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、十二歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。50年から53年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐にわたる旺盛な執筆活動を続けた。55年「白い人」で芥川賞、58年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、79年『キリストの誕生』で読売文学賞、80年『侍』で野間文芸賞、94年『深い河』で毎日芸術賞、95年文化勲章受章。96年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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G-dark
15
「本当の誘惑者」とは何か? という考えや、初恋の破れやすさ、男女間の友情が成立するか否か等についても語ったエッセイ集。相当昔に書かれたエッセイなので、令和の価値観とは合わないところも多々ありますが、歯に衣着せぬ痛快な著者の物言いが癖になって、ぐんぐん読めます。2023/11/25
灰猫
1
真実の愛とは"うすぎたない日常生活"での人間的な営みである(p.54)。あるいは、相手の美しい部分、善い部分と共にその醜いものや欠けていることまでも、よく見ることである(p.82)――それは何も男女間の恋愛に限らず、現実と理想の狭間でもがき苦しみながら、なお誰かとの「つながり」を留めようする人間の諸活動は「愛」と呼べるのだろう。『沈黙』もこうした「愛」の思想が地続きにあったんだな……と、遠藤周作という作家の捉え方が随分変わった。他のエッセイや作品も読んでみたくなりました。2023/09/05
ツキイチ
0
「もう遅い、手遅れだ」本気でイライラしたので人を怒らす才能があると思います。まあ、昔の人だから仕方ないのかな。2023/11/07
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