出版社内容情報
20歳で再会した彼女は変わり果てた姿になっていた――。両親の顔を知らずに育った校長・真壁が語る秘められた切ない恋と愛の奇跡。『水曜の朝、午前三時』の著者の渾身の書き下ろし。
著者情報
1959年、秋田市生まれ。立教大学卒業後、新聞社、出版社に勤務。2001年に刊行したデビュー作『水曜の朝、午前三時』が各紙誌で絶賛されベストセラーになる。他の著書に『八月十五日の夜会』などがある。
内容説明
6年ぶりに再会した「夢の人」は、まるで別人のようになっていた。切ない恋と人生の奇跡―。
著者等紹介
蓮見圭一[ハスミケイイチ]
1959年、秋田市生まれ。立教大学卒業後、新聞社、出版社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベイマックス
70
読み進められない。と言うのも、読んだ記憶があるのです。でも、読メに感想書いてないし、読後にもなっていない。雑誌か何かでよんだのかなと思いましたが、書き下ろしとのこと。文庫だと単行本の時と改題されているとかあるけど、単行本ですし、発行も2023年と自分が「読メ」を始めた後だし。摩訶不思議で、まったく本の感想になっていないし。2024/06/30
クリママ
41
別れて暮らす息子の高校卒業式での校長の話。思わず耳を傾ける。ライターとして、彼の半生を聴くことになる。前半は人生の先輩としての言葉で1節ずつ区切られ、生き方の指南書かと思ったが、後半は校長の若き日の恋の話で、1節ごとのオチもなかった。が、読後、深い余韻に閉じた本から手が離せない。それは何だったのだろう。青春の恋か、彼女の思いか。校長の妻や娘の心情を考えてしまったせいか。それとも、人生訓から恋愛小説になっていった戸惑いか。どちらにしても、語りかけられるように敬体で書かれた文章に引きこまれたからにちがいない。2024/04/30
けいこ
39
『水曜日の朝〜』以来の恋愛小説。序盤は飛行機内で体験した良い話や、高校の卒業式での校長先生の素敵な祝辞といった、いい話を集めた短編集なのかと思った。けれど、この校長先生の生い立ちから、大人になるまでを語る展開になり雰囲気は一変した。中学時代の初恋の彼女。訳あって東京の大学で再会しようと約束して遠く離れ離れになるが。昭和の時代、携帯も無く連絡もままならなず、やがてすれ違ってしまうもどかしさは離れていなくてもその当時はあったよねと懐かしい気持ちになる。終盤はただただ切ない。ノスタルジーを感じさせる1冊。2023/06/16
なっく
30
ただただ真壁校長の独白が続く。その中で出会いあり、別れあり、なのだが、基本昔話は当人以外にはあまり面白くないので、その意味で後半は流し読み。昭和、田舎、学生時代、不器用な恋愛、別れ、色々な事がこの校長先生の包容力を形成したのかな。2023/08/19
信兵衛
26
導入部分の構成が実に見事。すんなりと本ストーリィへと入っていき、自然体で校長の昔語り、恋物語に身を任せた、という感じ。2023/05/07