出版社内容情報
高校卒業後、憧れの図書館で働き始めた犬上健介。破天荒な霜月さん、有能な青柳さんたち先輩の背中を追いかけながら、理想の図書館員を目指すけれどー―? 大人気シリーズ、第4弾!
著者情報
京都市生まれ。放送大学卒。2018年氷室冴子青春文学賞大賞を受賞、19年『虹いろ図書館のへびおとこ』でデビュー。作品に「虹いろ図書館」「図書室の奥」シリーズ、『あたしとひぐっちゃんの探偵日記』など。
内容説明
高校卒業後、小さい頃から大好きだった図書館で働き始めた健介。しっかり者の青柳先輩、破天荒な霜月先輩たちの背中を追いかけながら立派な図書館員を目指すけれど、基本は人見知りで内気。初めての電話、お客さんの質問、読み聞かせ、と毎日大変!そんなある日、いたずらっ子ちーが現れて―?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
75
虹いろ図書館④高校卒業して公務員試験に合格し図書館に配属になった新人図書館員の犬上健介(いぬがみけんすけ)の奮闘▽右半身に生まれつき目立つあざを持っている犬上は、極度の人見知りで生まれたてのインパラ臆病なプレイリードックのように緊張していたが、大好きな図書館に勤めることが嬉しい。厳しくも優しい先輩たちに囲まれ、図書館員1年生として懸命に働く。小さな利用者の喜ぶ顔が癒し▽司書あるある多数で、読んでる途中で「あの本だこの本だ」とついつい手を止めて書架を見に行きたくなる。ユニークフェイスは慣れる。良いお仕事本2023/07/17
はる
66
爽やかな読後感。体半分の大きなアザがコンプレックスとなり、他人と関わることを極度に避けてきた青年が、図書館の司書となって少しずつ成長していく……。イヌガミさん18歳。青年時代の物語。大好きなシリーズの第4弾ですが、これ単独でも問題なく楽しめます。今回は児童書というより青春小説かな。あのイヌガミさんも最初は気の弱い、失敗ばかりの青年だったのですね。読みながらイヌガミさんと一緒にハラハラ、オロオロ。悲しんだり楽しんだり。魅力的な先輩たちと、温かな図書館の雰囲気に引き込まれました。2023/02/15
ぶんこ
48
シリーズ4巻目ですが、犬上さんが市役所職員として図書館に配属されたところから始まっていました。頑張って公務員試験に受かり、希望していた図書館にも配属されて一生懸命な犬上さんが眩しい。他の図書館員さんたちも皆気持ちいい人ばかりなのも嬉しい。その中で、現状に甘んじる事なく司書を目指して通信制の大学に通うことにしました。児童書の担当になったのも犬上さんにはよかったようです。ちーちゃんやおふちゃんごまちゃんの児童書コーナー常連さんの危機一髪に後先考えずに助けにはいる犬上さんは立派。図書館は最高!2023/03/01
ケ・セラ・セラ
30
いつもながら美しい装丁。今回はあのイヌガミさんがあわあわあたふたして落ち込んだりの図書館員見習い時代のお話。登場する先輩司書さんたちも個性的で魅力的。図書館を利用する子どもたちや大人、イベントやちょっとした事件なども経てイヌガミ君が成長していく一年が描かれています。シリーズの中でもとても素敵な作品。今回も作中に出てくるいろいろな作品を読んでみたくなりました。2023/04/02
anne@灯れ松明の火
26
シリーズ4。気になりつつ、なかなか読めず、5が出たタイミングで、まとめ借り。こちらは、あのイヌガミさんの新卒のころのお話。昔は、こんなにオドオドして、人見知りな子だったんだと、ちょっと戸惑いながら読み始めた。でも、彼の境遇等を知れば、自分に自信が持てないのも仕方ないとわかる。そして、そんな彼を引っ張ったり、背中を押したりしてくれる素敵な先輩たち。彼らとの出会いが、あのイヌガミさんをつくったんだね。図書館の在り方、居場所のない子どもたちについて、今回も考えされられた。2024/01/04