出版社内容情報
普通の女子高生が、インドで暮らすことに。格差社会の光と影、豊かさへの本質と疑問を鋭く描く、女子高生視線のインド滞在記。
内容説明
なにも知らないまま降り立ったインド―。タピオカもプリクラもない国で、JKが見たものは?「カレーの国」だけじゃない豊かな文化。目を輝かせて未来を語るスラムの少年少女たち。現役女子高生が綴ったインドの光と影。第16回出版甲子園グランプリ受賞作品!
目次
第1章 JK、インドへ行く
第2章 JK、インドライフにビビり散らかす
第3章 JK、インドグルメの沼に落ちる
第4章 JK、カオスを泳ぐ
第5章 JK、スラムに行く
終章 JK、インドを去る
著者等紹介
熊谷はるか[クマガイハルカ]
2003年生まれ。高校入学を目前に控えた中学3年生で、父親の転勤によりインドに引っ越す。インドで暮らした日々を書籍化すべく「第16回出版甲子園」に応募、大会史上初となる高校生でのグランプリ受賞。2021年6月、高校3年生で帰国。『JK、インドで常識ぶっ壊される』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
299
海外生活でカルチャーショックを受ける日本人の話は出版界の定番だが、JK女子が主役なのは初めて。食事に宗教、現地の学校や貧富の格差など、日本とは何もかも違いすぎるインドでの生活に直面しながら立ち止まらずチャレンジする姿が活写される。どれほど大人の手が入っているかわからないが、柔軟な魂と旺盛な好奇心で「何でも見てやろう」というポジティブさで読まされる。それだけなら楽しい見聞録で終わったが、新型コロナで帰国を望む在外邦人を中傷するネット言論には呆れる。井の中の蛙は大海を知る者に置き去りにされると知る由もないか。2022/06/11
南北
236
インドを訪問した人の感想は絶賛するか、忌避感を全開にするかに二極化していると思う。これまではおじさんの感想しか目にしたことがないが、女子高生はどう感じるかが書かれているのが本書である。14歳から17歳までの多感な時期に滞在したこともあるが、いろいろと新鮮な驚きにあふれたインドが浮かび上がってくる。メイドや運転手を雇うのも贅沢な生活ではなく、インドを支える一端になっていたり、ストリート・チルドレンと接するボランティア活動から考えさせられることもいろいろとあったようだ。いい読書体験ができた思う。2022/01/27
美紀ちゃん
192
SDGsの項目もいくつか当てはまりそうな本。面白い。そして学べることも。女子高生目線でのインド滞在記。表現がJKなので喜怒哀楽がとても豊かで楽しい。読みやすい。食べ物が美味しそう。緑が多く動物がたくさんいて怖いと思った。インドのスパイシーなカレーに慣れてしまうと帰国した時に食べた日本のトマトカレーがもはやトマトスープ。スラムへ行って知ったストリートチルドレン問題。深く考えさせられると思う。自分でできることは何か?考え、この体験を本にして出版するという行動に。素晴らしいと思う。今後の活躍に期待。2023/04/28
おせきはん
171
親の転勤により3年間インドで生活した女子高生が現地で体験し、考えたことを綴っています。食事情のような楽しい話から、やがて格差や貧富の問題に関する洞察へと展開していきます。スラムの現状、問題の根深さについては知らなかったことが多く、考えさせられました。新型コロナウイルスの影響で活動を制限されて現地でやり残したことに、これからの人生でも取り組んでいかれることを期待しています。2022/03/21
R
162
タイトルと違って、かなり真面目な内容で驚いた。女子高生が、家庭の都合でインドに行くことになり、そこでの生活、ギャップ、様々な出来事を面白おかしく紹介しつつ、その中で成長、変化を覚えつつ、社会に対する義務に眼が啓くといったお話。かなり立派だなと、おかれた立場におっかなびっくりしながらも、志の高いものを見つける姿が感動的だった。シーク教徒の友達とシャンプーで友情をはぐくみ、文化の違いに気づくというのがJKらしく、それでいて立派なことだと感心して読み終えた。2022/08/08