出版社内容情報
心凍らせた少女かおりといじめを受けた少年ケン。体の中にかいじゅうを飼い出口を探す二人にイヌガミさんは―?好評シリーズ第3弾。
内容説明
世界は、決してあなたを見捨てない。心を凍らせた少女かおりと、いじめを受けた少年ケン。体の中にかいじゅうを飼う2人が虹いろ図書館を訪れる―。
著者等紹介
櫻井とりお[サクライトリオ]
京都市生まれ。放送大学教養学部卒。都内区役所在職中、およそ10年間公立図書館で勤務。2018年第1回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞、19年『虹いろ図書館のへびおとこ』(河出書房新社)で作家デビュー。20年度まで非正規職員として関東圏の公立図書館に勤めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
65
YA。児童書。虹いろ図書館③たくさんの絵本や児童書がでてくるのがいい。いじめっ子のかおり姫の話▽カ蛙の王さま、または鉄のハインリヒ/白鳥/おかえりなさいスポッティ/やっぱりおおかみ/チョコレート戦争/アナンシと五/かいじゅうたちのいるところ/時計つくりのジョニー/チューリップの絵本/スイミー▽1巻の裏側の話。へびおとこ、ことイヌガミさんの過去話がある。イマジナリーだろなと思わせつつ、現実にいる子供と錯覚させる書き方はずるいし、わかりにくい▽だれの心の中にもかいじゅうがいる。かいじゅうに名前を付ける。2022/01/29
はる
59
シリーズ3作目。ああ、これはいい物語だなあ。いじめられている子にも、いじめっ子にも読んでほしい。それぞれの悩みや葛藤、悲しみを繊細に描きつつ、勇気を出して前に進み出す展開は児童文学らしく爽やか。そしてもちろん、本と図書館愛に溢れている。謝罪とは「自分の気持ちをすっきりさせるためじゃなく、相手に謝るためだけに、謝る」…本当にそう。ラストは吃驚の展開で、思わず最初から読み返してしまった笑。何か完結しそうな雰囲気だけれど、終わってほしくないなあ。2022/01/21
ぶんこ
54
今回も子どもの世界のいじめが出てきました。ほのかをいじめていたかおりの怒りの沸点に驚きつつ、こんな怪獣をお腹に持っていたらと思うと言葉が出ない。かおりさんの怪獣も、最後は少しはおとなしくなってきたようで嬉しい。もし私がほのかだったら、許せるだろうか。友達になれるだろうか。イヌガミさんが「謝ったら、それから先は相手に選ばせることだ。」と言ったのが嬉しい。多くの子どもの「駆け込み寺」のような図書館でしたが、民間委託となることでイヌガミさんは市役所へ移動。地域の文化の拠点のような図書館。この変化は寂しい。2022/02/15
Roko
37
かおりさんは元気で友達もいっぱいいるんですけど、自分の暴力的な気持ちのことを悩んでいます。その気持ちは「おなかの中のかいじゅうが暴れる」という感じなんです。いったんあばれ始めると止められないかいじゅうを、どうしたらいいのかわからなくて悩んでいます。友達との関係、親との関係、いろんな悩みを持った子どもたちを、イヌガミさんたちがしっかりと受け止めてくれるから、虹いろ図書館はいつも子どもたちでいっぱいなんですね。学校でも家でもない第三の場所、その存在が大事です。2022/03/11
anne@灯れ松明の火
33
YAコーナーの新着棚で。(ここも、見落とさずにチェック~!) シリーズ3。1と対になる作品だったので、1を読んだ人は、ぜひこちらも読んでほしい。1が未読の人は、1を読んでからをオススメする。町の古い図書館の司書のイヌガミさんは、見かけはドキッとするかもしれないが、温かい人。だから、傷を持った子どもたちは、イヌガミさんに助けを求めてやってくる。子どもたちの居場所である図書館、図書室。大切にしてほしい。浮雲 宇一(うくもういち)さんの表紙が素晴らしい! 2021/12/24