出版社内容情報
謎多き美貌の作家ジュリアン・バトラーをあなたは知っているか? いま気鋭が「仕掛ける」壮大な文学&エンターテインメント、開幕!
内容説明
ジュリアン・バトラー。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる―。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を描く壮大なデビュー長編小説。
著者等紹介
川本直[カワモトナオ]
1980年、東京都生まれ。2011年、「ゴア・ヴィダル会見記」(「新潮」)でデビュー。文芸評論とノンフィクションを手掛ける。『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が初の小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
68
筆者ジョージ・ジョンが語る小説家ジュリアン・バトラーの生涯。だが、本の表紙カバーには訳者の川本さんの名しかない。不思議な出会いだ。バトラーの書いた小説「ネオ・サテリコン」はオリバー・ストーン監督によって映画化される。著者は脚本担当となる。ストーン自身もシナリオを書いて結局ストーン版が採用。興味を持ちその映画見たいと思った。But Wikiで検索してもヒットしない。???そうだったのか~ この伝記、凄すぎる。ジョンの青春時代、バトラーとの出会い。確かに映画を見ている様なアメリカン青春ドラマが展開していた。2022/12/12
藤月はな(灯れ松明の火)
66
読書メーターの帯付書影でネタバレされたのが惜しい位、魅力的。そして外国小説が読み返したくなる事、間違いなし。特に外国文学好きはジュリアン・バトラーやゴア・ヴィダル、アンソニー・アンダーソンなどの作家名に細やかな自負の鼻っぱしをへし折られ、「寡聞にして知らないだけなのか?」と思い、検索を掛けたくなるだろう。形式としては『死の泉』(皆川博子)を思い出しつつもジュリアンへの愛憎半ばし、彼の不道徳を貶す語り手に『エドウィン・マルハウザー』(ミルハウザー)の内容を思い出し、不穏さに駆られる。しかし、これは愛の物語だ2023/03/23
harass
61
架空の米国人作家たちのメタフィクション。評論家でもある著者による、実際の米国文学史の知識を盛り込んだ、架空のゲイ作家とその友人であり恋人であり共作者だった作家の二人の物語。米国文学史のいささかの知識と興味があれば一層楽しめる。カポーティなどの有名作家や文化人などの個性の強いエピソードは読んでいて楽しい。こういう手法があるのだといろいろ感心した。久しぶりの小説だったが実に読み応えのあった作品。おすすめ。2023/03/31
路地
52
架空の作家の伝記の翻訳本という体裁をとりつつ、近現代のアメリカ文学・芸能史、ニューヨークとイタリア各都市の時代を超えた紀行文、そして虚構の訳者による謎解きミステリーと、いくつもの性格を持つ作品。アメリカ文学に疎いため、実在の登場人物をいちいち調べたくなるのだけど、ストーリーの面白さにページを捲る手が止まらず「後で調べる」宿題がたくさん残った。読書の世界を広げてくれる1冊だった。2022/06/07
みつ
51
読み友さんのレビューに惹かれ手にとった本。米人小説家による回想記の翻訳ならば表紙には原著者名と日本人訳者の名が記されるところ、日本人の名しかない、というところで既にネタバレになっているが、それを知っても十分に面白い。2017年に刊行された『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』という著書の全訳と非常に長い「訳者あとがき」という体裁を取る。ホロヴィッツのコンサート場面から始まり、トルーマン・カポーティ、アンディ・ウォーホルら実在の著名人との交友を交え、同性愛関係を結んだ批評家にして小説家ジュリアンの隠れた➡️2023/05/04
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