出版社内容情報
1976年――すべてが終わり、そして始まってもいなかった時代の中でルサンチマンを抱き生きる青年の苦悩と旅立ちを描く傑作。
内容説明
津軽から東京、そして出版社へ。昭和の真っ只中を生きる青年の春夏秋冬。開高健賞作家が描く「1976」の物語。
著者等紹介
田澤拓也[タザワタクヤ]
1952年、青森県生まれ。早稲田大学法学部・第一文学部卒業。出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。著書に『ムスリム・ニッポン』(21世紀国際ノンフィクション大賞優秀賞)、『空と山のあいだ』(開高健賞)他多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
98
青森から上京し、早稲田の法学部から文学部に学士入学し、出版社に就職した主人公。青森の高校時代から人妻と関係し、大学生で憧れの女子大生と同棲そして結婚、就職1年目の1976年に離婚し、アパートの女性、放送作家と結構女から言い寄られ女には不自由しない。当時私も東京で生活し始めたことから、あの頃の自分に触れたいと思って手に取ったのだが…。青森出身の友人も大の太宰ファンだったことを思い出した。2022/01/30
JUN
3
整然と過ぎゆく中に 一抹の落とし穴。2021/07/24
あんも
2
著者と同年代で懐かしく楽しく読めた。自分の鏡を見ているようなシーンもありこの時代はみんな仕事に恋愛に遮二無二突き進んでいたのがよくわかる。過ぎてしまえば皆美しい。 自伝的と言う話だが真偽はわからない。2021/11/03
茶々吉(パーソナリティ千波留)
2
2021年7月14日放送の みのおエフエム「図書館だより」で紹介するために読了。太宰治と同郷の主人公が、出版社に入社。日常の端々に太宰治が登場。太宰治は確かに天才だけど、生きる上でお手本にする人じゃないと思う。(笑) 詳しい感想は連載読書コラム「千波留の本棚」に。 https://www.kansai-woman.net/Book.php?id=2019192021/07/11
りう
0
1976年の空気が感じられました。Kはあれからどうしたのだろう、でもFはきっと幸せだっただろう。良い一冊でした。2023/05/17