内容説明
国際的スターの臨終に偶然立ち会った、二流の役者夫婦。鳴かず飛ばずの売れない二人が、ワイドショーのカメラに囲まれ、亡くなったスターを語る。その映像が好感度を与え、ドラマにCMにと次々に仕事が舞い込むようになる。その後、天才漫才師、大物女優と相次ぐ有名人の死に必ず登場する二人。気がつけば、死者を語る者になっていた…?日本人にとっての「死」をブラックユーモアたっぷりに描いた長編小説。
著者等紹介
清水義範[シミズヨシノリ]
1947年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒。’81年『昭和御前試合』で文壇にデビュー。’88年『国語入試問題必勝法』で吉川英治文学新人賞を受賞。『永遠のジャック&ベティ』『蕎麦ときしめん』『江勢物語』『日本語の乱れ』『ゴミの定理』他著書多数
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感想・レビュー
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ちさと
22
主人公は売れない2流の役者俳優の夫妻。彼らが偶然立ち会った大物役者の死からストーリーは急展開する。テーマは「日本人の死者への接し方」。死神の正体とはなんなのかという死神探しゲームをしながら、清水流ブラックユーモアたっぷりに、死にまつわる日本文化論が主人公の口から語られる。ちょっと考えてはくすくすと笑える1冊。解説の島村洋子さんが書けたんですけど、「小説というものは筋が面白い、文章が素晴らしいからという理由だけで読まれるわけではない」。清水さんの小説はわたしには「生理的に合う」んだと思う。2025/08/03
かしまさ
3
死神...なるほど...! 最初は「らしくない」本だと思ったけどやっぱり清水味だった。2016/10/15
miwapicco
2
3度目くらい。亡くなった方を思う、そして気持ちの中への居場所を作るプロセスにとても共感。2015/09/02
miwapicco
2
亡くなった人の受け入れ方に大いに共感。死神、て感じる自分に大変為になるヾ(*ΦωΦ)ノ喜劇のつもりだったということですが、確かに喜劇になっている。2014/12/31
冬至楼均
2
以前に読んだときはホラーだと思ったけど、改めて読むとユーモアが感じられた。まあ思いっきり黒いけど。2011/01/10