出版社内容情報
「ヘンタイ! ヘンタイ! ヘンタイ!」??中2男子の性の目覚めと悪魔崇拝がもたらす官能と陶酔。吉村版『金閣寺』、誕生。
内容説明
中2男子の性の目覚めがもたらす、官能と陶酔。吉村萬壱版『金閣寺』、ここに誕生!
著者等紹介
吉村萬壱[ヨシムラマンイチ]
1961年生まれ。2001年「クチュクチュバーン」で文學界新人賞を受賞しデビュー。2003年「ハリガネムシ」で芥川賞、2016年「臣女」で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
123
昭和のあの頃、私も中2というより小学8年生だったな。自慰行為を母親に感づかれ萎えてしまう感覚と極小化した時と極大化した時のシフトレバーは別モノという罪悪感も分かる。変態ではないし妄想も行為も健全そのもの。いや、彼はやや変態かも。個性が定まらない思春期に父の不在や浮気を疑いストレスを息子に向ける母、諍いに辟易し結局は大人しく親に従ってしまう。開花しつつあった曲がった思考は彼の個性であり、その芽は潰えて真面目な学生が目標になってしまう。いわゆる無個性だ。こうして量産型中学男子が造られてきた。そう私もその一人。2020/03/17
ユザキ部長
73
かなりヘンタイすぎて、何が書いてあるのか理解不能でした。中学二年の性への目覚めから女性化と森で全裸はヘンタイすぎる。2020/07/09
南雲吾朗
63
他人と違う能力を欲するような年頃なのだろう。異性を意識しだす年頃なのだろう。死にゆく父親を前にして、なぜその頃の事を回想するのか…思春期に陥るオカルトの罠。発散しきれない青い性。それらが不気味に描写されている。能天気な思春期を過ごしてきた自分には、今一つ理解できないところもあったが…。そうなのかぁとなんとなく思わせる体験でもあった。うーん、難しい…。2020/07/08
蘭奢待
41
吉村作品には珍しくいつもの毒々しさは少ない。少年時代の回想の形式を取る作品。性と、オカルトや魔術に取り憑かれていた少年時代。いわゆる中2病をかこっていた毎日。級友や両親との闘いや日常のやりとりが生々しい。過去の捏造というワードが現れるが、政治的メッセージ性は感じられなかった。2020/06/29
Tαkαo Sαito
25
新年一発目は吉村萬壱さんの「流卵」。個人的には好きだけど友達には薦めたくない。というかむやみにお薦めできるような作家さんではなく、自分の中で留めておきたい気もしている。感想としては色々あるのだけれど、とにかく股間がムズムズしてきて触りたくなってくる作品笑。(新年一発目にすみません笑)2022/01/01