出版社内容情報
創刊以来86年ぶりに3刷となった「文藝」2019年秋季号特集「韓国・フェミニズム・日本」が、大増補のうえ遂に単行本化!
内容説明
ベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者チョ・ナムジュによる傑作短編「家出」、シンガー・ソングライターのイ・ランによる初邦訳作「手違いゾンビ」、新世代のフェミニスト作家ユン・イヒョンの代表作「クンの旅」、性暴力をめぐり社会の現実を克明に暴くパク・ミンジョン「モルグ・ジオラマ」など、韓国文学の最前線をいち早く紹介!さらに、いま韓国で最も注目を集め、未来の文学を担う作家ファン・ジョンウンとチェ・ウニョンのふたりによる、本書のための書き下ろしエッセイを収録。他にも大注目の書き手たちによる書き下ろしと特別企画を加え、「文藝」の特集「韓国・フェミニズム・日本」がさらにパワーアップした、『完全版 韓国・フェミニズム・日本』としてここに誕生!
目次
巻頭言 未来から見られている
小説
特別寄稿
対談 世界文学のなかの隣人―祈りを共にするための「私たち文学」(斎藤真理子;鴻巣友季子)
エッセイ
論考
特別企画
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
51
「この先は韓国文学をもっと読んでいきたいです」と先日読書会で公言した身としては、この作品の感想レビュー一番乗りはとっても嬉しい!タイトルに「フェミニズム」と入っていますが、韓国文学をフェミニズムだけで語ってしまうのはとても勿体ないと思うのです。短編小説、エッセイ、論考と内容盛りだくさんな本作ですが、なかでも姜信子さんの論考「極私的在日文学論」は必読かと。そしてわたしも豊崎由美さんと心同じく、斎藤真理子さんについていきます。まじで天才やと思うの。2019/12/05
りつこ
42
「フェミニズム」と言われると腰が引けてしまう。見たくない嫌なものを見せられるのではないかという恐れは、例えばヘイトスピーチは聞きたくもないし議論もしたくないという気持ちに通じるものがあるかもしれない。ちょっとびくびくしながら読んだけど収められた作品はとてもナイーヴで身近で…「シングルストーリーではない」「多重性」という言葉が鴻巣さんと斎藤さんの対談の中に出てきたけれど、それがちゃんとあったのが良かった。現代K文学マップはまさに宝!読みたい本がまた増えた。2020/01/20
コニコ@共楽
24
話題の本「82年生まれ、キム・ジヨン」を読書会で取り上げようと思い、参考にこちらも手に取ってみました。韓国文学といってもだいぶ前に「由煕」を読んだだけで、初心者の私には、よいガイドブックになりました。フェミニズムに限らず、歴史を紡ぐ文学の中には豊かな世界があり、オススメ本も是非読んでみようと思います。翻訳界を代表する斎藤真理子さんと鴻巣友季子さんの対談「世界文学のなかの隣人」が俊逸。その中で、「三つ編み」と「キム・ジヨン」の比較が説得力があり、印象的でした。2020/02/28
kibita
21
自分が韓国文学に惹かれる理由に改めて思い当たった。小説という世界の中で、他人の人生をひと時共に見、生きながら、「皆が感じていても黙っていた違和感みたいなもの」に気づいていく。斎藤真理子さんはじめ韓国語翻訳者の方々には、今後も素敵な作品を待っています、と伝えたい。掲載の短編、寄稿もとても良かった。2022/07/27
マカロニ マカロン
18
個人の感想です:A-。斎藤真理子さんの読書会参考本。2019年秋季号『文藝』の増補版。2018年末に日本語訳出版された『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ)の大ヒットを受けて発行され、本書でも同作への言及が多い。綴じ込みの「現代K文学マップ」はK-Popや韓流映画も含めた座標軸への分類が興味深い。巻頭の短編集は韓国女性の生きにくさを描いた3作と、同様に男性も鬱屈しているという1作は共感した。斎藤さんと鴻巣友季子さんの対談は『82年生まれ』を徹底解析し日韓のフェミニズムが通底していると分析している2025/03/17
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