出版社内容情報
贅をつくした江戸前鮨、たのしい回転寿司、手作りのちらし寿司、郷土のおすしなど、「すし」にまつわるエッセイ32篇を収録。
内容説明
特別な日に奮発する鮨から、進化が止まらない回転寿司まで、世界中から愛される「ごちそう」。33人の寿司エッセイ。
目次
イキのいい奴(杉浦日向子)
二葉鮨―銀座のすし事始(山田五郎)
江戸前の握りで酒を飲む。(林家正蔵)
江戸前鮨は江戸で食え(馳星周)
私の鮨屋(石川達三)
握り寿司の名人(抄)(北大路魯山人)
東京すし今昔噺(種村季弘)
鮨と少年(吉村昭)
旅とすし(楠本憲吉)
このたび大阪(古川緑波)
正月には飯寿司と酒だけあればいい(渡辺淳一)
道楽寿司の奇蹟(嵐山光三郎)
鮓が来そうな日(神吉拓郎)
お祭鮨 魚島鮨(内田百〓)
鮨のいろいろ(獅子文六)
東京の握り鮨ほか(吉田健一)
鮨(佐野洋子)
回転寿司の卵焼き(川本三郎)
十八歳の寿司(白石公子)
ぶえんずし(石牟礼道子)
かぶらずし(中谷宇吉郎)
鮨の作り方(佐藤春夫)
おすしの神様(高橋義孝)
まぜずし(幸田文)
ごちそう革命(角田光代)
母のちらしずし(平松洋子)
ひな祭りの食卓(宮下奈都)
ばらちらし(増田れい子)
回転寿司屋にて(穂村弘)
あっぱれ回転寿司五景!(柚木麻子)
おすし(よしもとばなな)
安西水丸と語る寿司屋の話(村上春樹・安西水丸)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
179
思い出すのは、母が沢山の油揚げを何度も水から炊いて甘辛く味付けたお稲荷さん。運動会やお祭りの定番だった。父がほろ酔いで土産の握り寿司は起こされて食べた。大人になって自分で握った事もある・・これは33名の語る『お寿司』思い出や薀蓄、ちらし寿司や郷土のお寿司が楽しい。銀座の高級な江戸前寿司は敷居が高いけれど、私はいつもの回るお寿司が大好きです。お寿司は『特別』人が集まる時、思い出と共にそこにあった。これからもあるだろう。お寿司のある国に生まれた幸せを思う。2019/04/27
じいじ
108
まずもって、鮨が嫌いな日本人はいないでしょう。むかし、仕事で海外から帰ってきて、いの一番に食べたいのが鮨でした。にぎり鮨は、江戸時代に本所・両国あたりで生まれた庶民のファストフードだったそうです。目からウロコのすし蘊蓄が満載。すし好き30余名が、すしへの思いの丈を語った一冊は面白いです。握り鮨への私のこだわりを一言―ネタの魚の新鮮さは言うまでもありませんが、シャリが肝心。米、焚き加減、酢の味付け、そして口へ放り込んだ時のほどけ具合の握り技が、旨さを決めると思っています。読了後、猛烈に鮨が食べたくなります。2019/08/07
れみ
106
おいしい文藝シリーズ、お寿司編。同じ「にぎり寿司は東京がいちばん」「美味い寿司がお高いのはちゃんと訳がある」みたいなことを書いていても、読んでいて嫌な感じがする人と、そうでもない人がいるのは不思議。エッセイって小説とかよりもずっと、人間性が出ちゃう気がする。なかには、確かにお寿司でてくるけどあんまりな内容…と思うものもあったけど、それぞれに美味しそうなお寿司とそれにまつわるエピソードをたくさん読んで、いま無性にお寿司が食べたい。2019/11/24
kinkin
98
寿司か。回るのも回らないの最近全然言ってないなあ〜。33名の作家や漫画家、エッセイストによる寿司にまつわるエッセイ。全国的に見ると東北や北陸「など冬の保存食としての、なれ寿司と握り寿しに分かれているようだ。好きな寿司ネタは、白身。若い頃はトロがやっぱり好きだったけれど由を重ねるとさっぱり系に変わった。その白身の寿司を廻る寿司をいつ頃食べたのか記憶にないほど随分前だ。図書館本。2023/05/05
アキ
63
「亰の雅」に「江戸の粋」。上方文化でもある「馴れずし」「押しずし」に対し、「江戸前の握りずし」が登場したのは化政期のこと。当時のネタは、コハダ・アジを筆頭にイカ・タコ・ハマグリ・アナゴ・キス・サヨリなどで、天保の大飢饉のとき江戸近海でマグロが大漁となり、以来ネタに定着したが、それまでは下下の食べ物だった。立ち食いの名残りでカウンターはよし。ぽんと出されたらすぐ食う。鮨の作法は江戸後期からのおよそ200年に過ぎない。31人のすしにまつわるエッセイのあと、村上春樹と安西水丸との対談が異色。どっちでもいいやん!2019/06/22
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