出版社内容情報
中国ですら敵わないほどの強力な敵、民主主義と資本主義の敵は内側にいる。
国を率いるエリートたちの失敗と堕落が、民主主義と資本主義を危機にさらした。
まずまずの豊かさ、わが子が機会に恵まれること、そして幸せな未来――。
ささやかな期待すらも実現しない政治とグローバル資本主義に民衆は怒っている。
いま必要なのは、格差解消と中間層の復活だ。
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世界金融危機後の中間層の空洞化は、先進国で既存体制への怒りに火を付けた。これから10年後、民主主義と資本主義は放棄されずに残るだろうか。高所得の民主主義国で台頭する右派・左派双方のポピュリズムは、世界を暗黒に変えるだろうか。
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20世紀はモンスターのような独裁者の世紀だった。いまふたたび独裁者が復活しようとしている。権力者だけに奉仕する国家に希望はない。20世紀、人類はそうなる運命を紙一重で切り抜けた。21世紀もうまく逃げおおせるだろうか。
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FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターが描くいま求められる改革。
内容説明
中国ですら敵わないほどの強力な敵、民主主義と資本主義の敵は内側にいる。いま必要なのは格差解消と中間層の復活だ。世界金融危機後の中間層の空洞化は、先進国で既存体制への怒りに火を付けた。これから10年後、民主主義と資本主義は放棄されずに残るだろうか。高所得の民主主義国で台頭する右派・左派双方のポピュリズムは、世界を暗黒に変えるだろうか。20世紀はモンスターのような独裁者の世紀だった。いまふたたび独裁者が復活しようとしている。権力者だけに奉仕する国家に希望はない。20世紀、人類はそうなる運命を紙一重で切り抜けた。21世紀もうまく逃げおおせるだろうか。FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターが、いま世界に求められる改革を描く。
目次
今回は、火だ
第1部 資本主義と民主主義について(共存的な双子―人類史における政治と経済;民主資本主義の進化)
第2部 なにを間違えたのか(大事なのは経済なのだ、愚か者よ;レンティア資本主義の台頭;ポピュリズムの危険)
第3部 民主資本主義を再生する(資本主義の再生;「新しい」ニューディールに向かって;民主主義の再生)
第4部 いま歴史の転換点で(世界における民主資本主義;結論 市民の力をふたたび)
著者等紹介
ウルフ,マーティン[ウルフ,マーティン] [Wolf,Martin]
フィナンシャル・タイムズ(FT)紙チーフ・エコノミクス・コメンテーター。2000年に金融ジャーナリズムを評価されCBE(大英帝国勲章コマンダー)を授与された。2013年にはアメリカ海外特派員クラブ(OPC)から最優秀解説賞を、2019年には経済・金融ジャーナリズムを称えるジェラルド・ローブ賞の生涯功労賞を受賞。2010年から2011年にかけてイギリスの独立銀行委員会の委員を務めた
小川敏子[オガワトシコ]
翻訳家。東京生まれ。慶應義塾大学文学部英文学科卒業。小説からノンフィクションまで幅広いジャンルで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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