出版社内容情報
ベストセラー『日航123便墜落の新事実』の著者の,待望久しい最初の本の復刊、事件性の示唆も行った生々しいドキュメント。
青山 透子[アオヤマ トウコ]
著・文・その他
内容説明
あのベストセラー『日航123便 墜落の新事実』の著者の、衝撃の第一作復刊。当時の新聞記事を徹底的に洗い、現場となった上野村の当時の村長、地元消防団員、歯科医師ら、関係者に徹底取材。同じグループでフライトした乗務員たちに捧げる鎮魂のノンフィクション。
目次
第1部 雲海を翔けぬける(出会い―OJT初フライト;機内アナウンス;スタンバイルームで;DC-8での思い出)
第2部 エマージェンシー―墜落か不時着か(八月十二日;見覚えのある顔写真;原因は何か―新聞報道の陰から見える事実;プロフェッショナルとはなにか)
第3部 乱気流の航空業界―未来はどこへ(過去からのメッセージ;若者たちの現場;上野村へ)
著者等紹介
青山透子[アオヤマトウコ]
元日本航空国際線客室乗務員。国内線時代に事故機のクルーと同じグループで乗務。その後、官公庁、各種企業等の接遇教育に携わり、専門学校、大学講師として活動。本名で東京大学大学院博士課程修了、博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羽衣 空
36
著者は日航機墜落事故の本を何冊か書いている。当時スチュワーデスであり、事故で何人もの先輩を亡くしている。当時の航空事情や、厳しくも楽しかった仕事の事など、詳しく書かれている。だからこそ、事故に疑問を持ち、報道との矛盾点を徹底的に調べた。執念を感じる。著者の書かれている事が事実であるなら大変な事であり、とてつもない闇を感じる。2019/07/06
九曜紋
14
2010年に出版されたものの改題・復刊。日航123便墜落事故が起きた当時の著者の衝撃、失った先輩客室乗務員への鎮魂の書、といった趣き。この事故が事故ではなく事件である、とする「陰謀論」に思い到るまえの著述が中心。私も当時25歳。大きなショックを受けたのを思い出す。続刊へ。2019/09/11
papaya
12
青山さんの『墜落の新事実』を先に読んでいたので、追加的な情報は特になかったのであるが、青山さんと前山さんの関係や機長、スチュワーデスの心構えなど、非常によくわかった。事故調査委員会の結論は、今後変わることはないのだろうが、確認されている事実といくつも不整合、矛盾があり、圧力隔壁の破損に起因して垂直尾翼が吹き飛んだという結論は誤りとしか思えない。2022/07/17
Hiroki Nishizumi
10
読み始めてしばらくは日航の浮世離れした生活や内輪話が続き、面白くないなぁと感じていた。本書を読み終えるころになって、そうか、これは一大叙事詩の第一章なんだと気付いた。原因究明を避けているかのようなマスコミの論調、混乱を意図的に助長してるかのような現場特定、腹落ちしない報告、現場へ行かずプールやゴルフに興じる総理大臣、燃料は灯油に近い成分なのに異様に黒焦げとなっていた遺体。そうか、物語はこれからか‥‥2019/10/01
豊平川散歩
10
亡くなった搭乗員と同僚である著者だからかそ書ける内容。事故当日の寮でのことは、リアリティがあり鳴りやまない電話の音を聞いているときは、いたたまれない気持ちだったであろう。 発刊は2018年だが、2015年の改題とのこと。この本には、いわゆる疑惑についてはあまり触れていない。タイトルにある通り、ここから疑惑が始まり現在に至ったのだとしたら、すごい執念だと思う。 是非、真実の解明を待ち望む。2018/11/20