出版社内容情報
かつて兄だったキョウスケが、勝手に私の人生へと戻って来た――大切な運命の物語。心揺さぶる最高のデビュー小説!斎藤美奈子氏推薦
内容説明
かつて兄だったキョウスケが勝手に私の人生へと戻って来た。立派な「あかんたれ」になって―どこにいても、ただ生きてさえいてくれればいい―家族や親友や恋人より大切な「運命」の物語。
著者等紹介
石田香織[イシダカオリ]
1976年、兵庫県生まれ。会社勤務の傍ら96年より森田雄三創作塾にて創作を学ぶ。『きょうの日は、さようなら』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
92
神戸といっても下町の方を舞台にしている。キョウコとキョウスケは連れ子どうしの兄妹。両親の離婚により離ればなれになるが、大人になって再会する。厳しい現実にあるにもかかわらず、たんたんと進む。夕日の美しさ、目をつぶって想像する流れ星、ふとした瞬間になぜか心を揺さぶる場面がある。物足りなさもあるが、なにせこれが石田さんのデビュー作、今後に期待します!2019/03/30
散文の詞
74
ちょっと前のホームドラマを今風に作者の目を通して焼き直したという感じの小説で、色々な生きづらさを抱えた人々が生き生きと描かれています。 ただ、そういう意味では、どこかで読んだような感じはします。でも、なんか妙な安心感があります。 元々、作者が兵庫出身だからか、あるいは意識して書かれたのか、主人公が関西弁なのが悲壮感を覆い隠すようでいいですね。 「そんなもんやから『生きていく』って」ってね。 2020/02/16
いたろう
62
継母の連れ子で、キョウコの血の繋がらない兄となったキョウスケ。小学校の3年間、本当の兄妹のようだった二人が、離ればなれになって十数年、神戸の、港と風俗街の中間の、怪しげだが人情味溢れる街で再会する。普通のOLのキョウコに対して、ちょっとヤバめの事をしているキョウスケだが、今では法律上は兄妹ではなく、住む世界も違う二人の何年経っても変わらない兄妹愛が心を打つ。キョウスケの側の世界のゲイ、風俗嬢、怪しい友人たちが、皆、気のいい人たちなのがいい。子育ての傍ら、スマホで書いたという著者のデビュー作。今後が楽しみ。2017/09/17
うどん
44
良かった!面白かったです。テンポよく読みました。デビュー作との事。次作も楽しみです。2017/09/21
やっちゃん
40
ちょっと普通と違った道をいく人たちの物語。中盤までは和気あいあいで皆幸せそうだったのにこの終わり方でええんか。関西弁のツッコミが最高に笑える。2023/12/18