出版社内容情報
真夏に読みたい冷たいスイーツに関するエッセイを集めたアンソロジー。おいしい文藝シリーズ第6弾。ここに「涼」あります。
【著者紹介】
1951年東京生まれ。『鉄道員(ぽつぽや)』で直木賞、『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、『お腹召しませ』で中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞、『中原の虹』で吉川英治文学賞、『終わらざる夏』で毎日出版文化賞受賞。
内容説明
風鈴、せみの声、花火、ゴムぞうり…冷たいおやつ!冷たいスイーツのエッセイ41篇。
目次
しろくま綺譚 浅田次郎
正しい氷水 南伸坊
氷を探して何百里 色川武大
マンゴープリンの放浪者 馳星周
三口の快楽 阿川佐和子
スイカシェイクとひろみちゃん 江國香織
アイスクリームソーダ 野中柊
ヴィレッジのアイスクリーム 植草甚一
パリのアイスクリーム 石井好子
クリーム・ソーダとアイス・コーヒー―銀座(清月堂ライクス) 池波正太郎〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
147
様々な人が書いた、夏らしいひんやりスイーツについてのエッセイ。暑い夏の時期に読んでたら、ここに出てくるスイーツを買いに走ったかも^^;そして、数ページの短い文章のなかに、それぞれの筆者の個性が凝縮されている感じがしてとても贅沢な一冊。この他に、お肉・ラーメン・ごはん・お鍋・朝ごはんの本があるみたいなので機会があったら読もうと思う。2015/11/13
fwhd8325
96
私も小さい頃は、身体があまり丈夫でなかったので、アイスクリームもあまり食べることができませんでした。今から50年近くも前のことですが、父と行った三社祭見物の帰り、母には内緒だぞと言いながらソフトクリームを買ってくれたことは、今も覚えています。そして、あのやさしい甘さは、今までに食べたことのない新鮮な味だったことも。記憶に残る食べ物があるだけで、語ることが出来、文章にすることができる。それも素敵なことです。2016/10/12
kinkin
95
夏はいろんな甘味が登場する季節。手練れの作家やエッセイストが好きな甘味について語る。私の夏の甘味といえば向かいの食料品店に夏だけ現れるアイスクリームケース。その中のホームランバーかちょっと高めのカップアイスを買うかで悩んでいた。でケースを開けっ放しを咎められるのが決まっていてそんなケースも夏休みが終わる頃姿を消すと秋の気配だったなあ。今は年中コンビニに行けばどんなアイスもずらりと並ぶ反面ありがたみがすくない。世の中季節感がなくなってきてから甘味に対する愛情も消えた。図書館本2019/06/17
フユコ
75
吉村昭さん目当てで。「死が間近にせまった時、この世の名残りに最後に食べたいものはなにか」と吉村さんの友人がいったことから始まる3pのエッセイ。吉村さんは食欲も衰えて固形物も入らないだろうしとアイスクリームを選ぶ。 自分がそういう状況になり選べる状態だった場合、無理して好物を選ぶか食べやすさを選ぶか、まだ決められていない。2019/01/18
九月猫
75
アイスクリームが好きだ。とても好きだ。好きな食べものを聞かれたら、米・麺の次にアイスクリームと言うくらい好きだ。米と麺は主食と主食に近いものだから、わざわざ好きと言わなくてもいいのかも。うん、これからはアイスクリームとだけ答えよう。主食のように生命維持に必要でないけれど、心の栄養には必要不可欠なおやつ。今回はクスクス笑えるお話が多く、集中力に欠ける暑さの中で読むのによい感じ。印象に残ったのは、浅田次郎さんと沢村貞子さん。「目分量」だと雑な感じなのに、「目秤り手秤り」だと途端に美しい日本語とお台所の知恵に。2015/08/11