小説技術論

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309023878
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『日本小説技術史』を現代文学に応用した小説技術の実践編。移人称小説論を中軸に技法から文学を探る執筆者・読者にとって必読の書。

【著者紹介】
1952年東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。著書に『中上健次論』『不敬文学論序説』『日本小説技術史』など。

内容説明

描写から話者へ!?現代小説の転換点をあきらかにしながら移人称、自由伝聞話法、対偶技法、時空間処理法、心内語、隠喩…などの技法にわけいり作家たちを震撼させ小説の書き方と読み方を根本から変える現代文学批評の第一人者による名著『日本小説技術史』の実践編。

目次

1(移人称小説論―今日の「純粋小説」について;中上健次の自由伝聞話法―『地の果て 至上の時』;阿部和重の対偶技法―『ピストルズ』と『金枝篇』;隠喩は虐待する―小野正嗣『九年前の祈り』;「ので」のあとさき―いとうせいこう&奥泉光『小説の聖典』)
2(小説への「メス」と「愛」―『日本小説技術史』をめぐって×奥泉光;「聴き手」と「語り手」との共犯関係×いとうせいこう;脱構築VS複雑系―今日のフィクションを読む×佐々木敦)
3(横光利一と小説技術―『機械』を中心に;歓待の掟―小説技術の勘所)

著者等紹介

渡部直己[ワタナベナオミ]
1952年生まれ。早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mstr_kk

7
再読。やはりこの本はあんまりよくないのではないかと思いました。冒頭の主要論文「移人称小説論」は蓮實重彦の『小説から遠く離れて』の模倣にしか見えませんし、蓮實さんほどの魅力もありません。「移人称」なるもののとらえ方も、まさに「技術」しか見ていないせいで、とても浅く感じられます。そもそも「移人称小説」など古今東西いくらでもあり、それぞれ固有の謎を孕んでいるのであって、それらとひとつひとつ向き合うほうが楽しいのでは。厳しいことをいいましたが、僕の渡部ファン歴がそこそこ長いせいで、「渡部理論」に飽きただけかも。→2016/04/23

mstr_kk

7
渡部さんの現代文学論。柄谷行人の「近代文学の終わり」というテーゼを、技術の水準で「対物描写の終焉」ととらえる大枠の中で、人称の変化する「移人称小説」に注目しています。しかし、僕はこの「移人称小説」っていうものに、まったく興味がもてないんですよね……。また、渡部さんの理論には以前どっぷりハマってましたが、いまはだいぶ違和感もあるなあと。渡部さんのことは好きではあるものの、こんなことにこだわってもあんまり面白くないなあ、と思うところがけっこうありました。いちばん良かったのは中上健次論でした。2015/07/05

いのふみ

6
渡部直己による、小説を愛しすぎてしまって、切開し検分してしまう小説技術論。小説を、内容を愛でるばかりの人たちが多いなか、技術で読むのは好きだったが、おのれはまだまだ甘かったと痛感。作品を容赦なく論断し、対談においては対立も辞さないコワモテの文学論。最初、移人称小説を日本文学の衰退として読んでいたが、実は一つの技法としてあるのだろうと理解。こういう破格の小説も最近殖えているのだ。旧弊で柔弱であることを悟ってしまった私には、小説を読むことが益々楽しくなってくるようでもあり、逆に辛くなってくるようでもあった。2016/11/18

ハイザワ

5
スーザン・ソンタグが強調していた形式性というものを、小説という領域の中で具体的に説明した評論。何かテクニックを使うなら、ただやるのではなく効果的に用いるべきだと強調している(奥泉光『神器』論の船酔いの下りはつい笑ってしまった)。2016/12/21

でろり~ん

1
不毛でした。移人称というネーミングにしてからが、少しも新鮮味のあるものではないように思いますし、結局は、その効果が読者に対して成功しているか、失敗しているかというのは、個々人の判断に依るもので、著者に成否を評価されるべきものではないのでは。読者に対して何事か、読書法を新提示する内容を期待したのですが、作家個々の内部的手法について新しみのない考察を並べただけに感じました。日本の評論界は本当に死んでしまったんでしょうか。つまらんかったです。2018/05/03

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