出版社内容情報
マンガ『はだしのゲン』がもつ本来の魅力と作品としての可能性に迫る!田口ランディ、佐々木中、岡村幸宣、東琢磨、相澤虎之助、ほか
内容説明
“反戦・反核・平和”だけに収まらない恐るべき力を、各界の俊英たちが読み解く。
目次
インタビュー 田口ランディ―命を語る「モノ」の言葉
インタビュー 佐々木中―ゲン、爆心地の無神論者―『はだしのゲン』が肯うもの
インタビュー 卯城竜太―(Chim↑Pom)マンガの分際、アートの分際
論考 岡村幸宣―原爆表現史と『はだしのゲン』
論考 呉智英―陳腐化した正義の枠を超えて―『はだしのゲン』を読み抜くために
論考 陣野俊史―そのまま読むことの難しさについて
論考 東琢磨―忘れさせてたまるか/ええから/うたえ/さわぐんじゃ
論考 竹内美帆―マンガ論と『はだしのゲン』
エッセイ 山下陽光―猿楽町をゲンと歩く
論考 みち(屋宮大祐)―ゲンはどこへ向かったのか―インターネットで『はだしのゲン』を読む〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古古古古古米そっくりおじさん・寺
58
河出書房新社の『文藝別冊』や『KAWADE道の手帖』と同じレイアウトだがムックではない。松江で起きて問題になった『はだしのゲン』閲覧制限事件をきっかけに(松江の近くに原発がある事を恥ずかしながらこの本で知った)、論客達がゲンを読み解く。「自分だけの名作」を探したい者にとって、必読古典名作というのは鬱陶しい。いわんや教育的名作をや。しかしそれを誰かの思惑で隠される事は厭だ。平和教育だろうが自虐史観だろうが『はだしのゲン』は面白い漫画である。残酷描写の向こうにある光るものが見えない奴は可哀相である。2014/05/09
カープ坊や
6
10数人の作家さん達が 『はだしのゲン』を読み 論考をまとめた本 そうだそうだ!という意見から なるほどという考えまで 数々あり素晴らしい一冊。 毎年8月に再読する「はだしのゲン」今年は新たな一面を感じられるかもしれない!2014/04/30
tu-ta
4
「はだしのゲン」への注目を在特会的な排外主義者が広げることになった。 排外主義者や歴史修正主義者がこれを嫌うのはよくわかる。 ゲン本体をずっと前に読んだとき、どこまで読んだか忘れたのだけれども、ゲンに関する言説の広がりはほんとうに興味深い。現在(2014年8月)、原爆の図・丸木美術館で絵本原画展開催中2014/08/17