出版社内容情報
北国に住む私はある日アメリカの小さな街へ砂漠を見に向かうのだが……。人間を超え生成しつづける世界を体感する新しい小説の誕生!
【著者紹介】
1966年生まれ。神戸市出身。富良野塾二期生。劇団FICTIONを主宰。作・演出・出演を兼ねる。著作に『緑のさる』、『ギッちょん』がある。
内容説明
わたしは口説く、走る、コヨーテになる。雪の降る街で、静寂の砂漠で…。書き下ろし最新作「果樹園」を併録。
著者等紹介
山下澄人[ヤマシタスミト]
1966年1月25日生まれ。神戸市出身。富良野塾二期生。96年より劇団FICTIONを主宰。作・演出・出演を兼ねる。2012年『緑のさる』で第三四回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
58
砂漠に浮かぶ蜃気楼のように捉えようとすると逃げられ、あえて無視しているとすり寄ってくる。そんな小説。今まで一度も出会ったことのない小説で理解はできないが真面目に捉えることも馬鹿らしい。すごく訴えかけてくる。満足感はあるが何にも残らない。同じようなニュアンスのことを何度も繰り返している、私も、そしてこの小説も。この小説を褒めてる人もけなしている人も恐らく分かってない。天国でもあり地獄でもある。ぐるぐるぐるぐる。誰か助けて(笑)2016/07/28
おさむ
42
山下さん5冊目。永遠なるワンパターンにも慣れてきました笑。筋書きや脈絡などは一切気にせず、ただ流れてくる散文詩的なグルーブやリズム(のようなもの)を楽しむのが、いい読み方なんでしょう。149回芥川賞候補作。2017/02/04
tomi
33
タカハシと名乗っているがタカハシではない「わたし」の視点は移ろい、時間が交錯し、現実か妄想か曖昧模糊とした話が繋がって行く、ユニークな前衛文学。短いセンテンスが連なる軽やかな文体で読みやすいのだが、恐らく半分も理解できてないだろう。(第149回芥川賞候補)2017/03/16
pen
26
簡潔な文章で、感情を直接的には言葉にしない寡黙で孤独な登場人物たち。それだけだといかにも暗い小説になってしまうが、とても美しい。大きな宇宙の中で自分の存在を俯瞰してみているような感覚が、小説全体を貫いている。こういう世界観、たまらない。宮沢賢治やヘミングウェイを思い浮かべました。2017/02/11
sora
26
第149回芥川賞にノミネートされた作品と聞いて、読みました。 文字が躍る、文章が躍る。不可解さについには、私の頭の中も踊って、必死に文字と文章を追うことで精一杯でした。 自分の凡人さ?を再認識しました・・・。2014/01/28