内容説明
破壊し尽くされた自然や人間の悲劇と、その闇の奥底に立ち上がる新しき叡智。受難の時代に響く、珠玉の対談・講演集。
目次
対談 深遠な「自給自足」の暮らし―田上義春さんとの対話
講演 蘇生した魂をのせて
講演 来水前に話しておきたいこと
講演 水俣・水天荘にて
講演 日月の舟
講演 私たちは何処へ行くのか
対談 加害・被害の枠組みをどう超えるか―緒方正人さんとの対話
インタヴュー 魂が揺れる場所
著者等紹介
石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年熊本県天草生まれ。生後すぐに水俣に移る。詩人、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chanvesa
17
「わたくしたちは宗教的にも哲学的にも、ギリシャや古代中国あたりの哲人なんかが確立した哲学の遺産を全部食いつぶして何も言えなくなってきています(87頁)」という危機感。この状況に単に絶望せず、水俣の被害者が「絶対的な加害者のために祈るという考え方」に、「近代を超えた叡智」を見出し、これを後世の人間が体系化すること(218頁)に、希望を見出そうとする石牟礼さんの強さ。私達が近代の仕組みの中でなくては、どんなに息苦しくても生きていかざるを得ない中、水俣から救いを見つけようことに何もできない自分に少し悲しくなる。2014/11/16
algon
16
「水俣・東京展」の準備会議から行われた水俣病に係わる著者の一連の講演集。著作や対談にも「魂」という言葉が頻繁に使われるが、多少近代教育を受けた身には軽くスルーしてきた言葉だった…しかしこの本ではMINAMATAにとってのこの言葉のコアな意を聴衆に優しくしかし決然と教えてくれる。胎児性水俣病をはじめとする水俣病の絶対受難に寄り添ってきた著者の言葉はあくまで穏やかだが生半可な合理主義や即物的思考を沈黙させる迫力に満ちたものだった。近代主義を乗り越える叡智、それを探っているという著者は比類なき叡智の人に思えた。2022/04/26
ほっそ
3
「苦海浄土」の理解のため読む。先にこっちをよめばよかった。2017/02/03
カネコ
0
◎2013/06/09
takao
0
ふむ2025/03/13