恋文讃歌

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309021713
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

祖父・達夫の危篤に駆けつけた僕は、故郷・鹿児島の病院で、祖母・テルから初めて壮大な夫婦の愛の物語を聞かされる。テルは太平洋戦争直前、初恋の相手と結婚し、北朝鮮へ小学校教師として赴任する夫・達夫とともに海を渡る。やがて夫は出征し、テルは一人で出産。そして終戦。夫はシベリアに抑留され、テルは幼い子供を連れ、38度線を歩いて越え帰国したが、数年後に戻ってきた夫は、自白剤を打たれ廃人同然だった…。僕は祖父の最期に、祖父からテルに宛てた数字だらけの恋文を読み解こうとする―。鹿児島・北潮鮮・シベリアを舞台に、戦争に翻弄された純愛ストーリー。『Little DJ』の著者が贈る、最高の歴史ラブロマンス。

著者等紹介

鬼塚忠[オニツカタダシ]
1965年鹿児島市生まれ。大学在学中から世界放浪の旅を始め、40カ国を巡り、世界各地で働く。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を数年した後、独立。著書に『海峡を渡るバイオリン』(陳昌鉉、岡山徹と共著/2004年11月にテレビドラマ化し、文化庁芸術祭優秀賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

55
祖母が語る長い戦争の経験談。時が経つにつれ、語り継ぐ人が少なくなるので、一読するのもアリかもしれません。テルさんに感情移入して、泣きそうになりながら読みました。2021/11/15

クリママ

36
寝たきりで意思の疎通もできない祖父。まだ若い人のそんな祖父に対する気持ちがわかる。危篤の知らせに病院へ行き、枕元で聞いた祖母の話。出会い、元山(現北朝鮮)での新婚生活、戦争、招集、引き揚げ、シベリア抑留、残された暗号の恋文。幼子を抱え38度線を目指した帰国への道は「流れる星は生きている」とまさに同じ状況だったのだろう。シベリアで薄れる記憶の中、必死に書かれた恋文は涙なくしては読めない。作者の祖母の話を基にした物語。平易でわかりやすい文章は、小学校高学年からから読めるだろう。若い人に読んでほしいと思った。2018/08/16

21
泣きました。最後まで読んでびっくり。実話を元に作られているそうです。シベリアでの地獄のような強制労働、スパイ容疑にかけられた方の残酷な運命、朝鮮半島に渡っていた日本人の本土への命がけの帰還、これ全部、たった60年前に行われていた事実なんですよね。怖いです。怖すぎます。人の心までむざむざと奪ってしまう戦争に対する憤り、そしてそんなふうにまでなっても日本の為に生き抜いてくださった方々、亡くなられた方々に対し、戦争がないのが当たり前の世の中だと平和ぼけしていることが申しわけない気持ちになりました。2013/08/10

おか

20
FB友達から紹介された本。著者自身祖母の実話をもとに書かれたフィクション。シベリアで自白剤を打たれ廃人となった祖父。北朝鮮から幼児と共に必死で脱出してきた祖母。物語は’98年 祖父が危篤になった時から始まる。祖父の病床で 祖母は祖父とのなれそめ そして 祖父が兵隊にとられた後の苦しい歳月を語り 祖父の戦友は 墓場まで持って行こうとしていた兵隊として、捕虜としての苦しい思い出を語る。最後の祖父がまだ正気だった時に暗号で書かれた祖母への愛を伝える手紙に号泣しました。多くの人に読んで欲しい。2016/02/15

なつ

19
戦争によって翻弄された祖父母の人生。そしてそんな中でも、伝えようとする夫婦の愛、親子の愛、生き抜くという強さと過酷さ。戦争が残す爪痕。何もかも禁止される中で、自白剤を打たれながらも廃人になる前に、祖父が祖母と子(母)に残した暗号での手紙。手紙に溢れる強い愛に思わずホロリ。胸を打たれた。厳しく辛く過酷でありながら心に響く。2016/06/25

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