内容説明
「閃光と轟音とともに、“それ”は始まった―」。外部と遮断された渋谷の女子高、俳徊する化物、…そして、矛盾し始めた少女の世界。第48回文藝賞受賞作。
著者等紹介
今村友紀[イマムラトモキ]
1986年生まれ。秋田県出身。現在、東京大学大学院に在籍。2011年、『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』で第四八回文藝賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多聞
14
何気ない日常が異変をきっかけに変貌する。戦闘機が飛び交い、怪物が跋扈し、幾重もの並行世界で構成されるまさに異様な状況に巻き込まれた少女が、活路を切り開きサバイブしていく。作品の性質上、3.11と関連付けされてしまいがちだが、他の事象に置き換えることが可能であり、読者の数だけ多様な解釈が生まれるだろう。作者の創作への並々ならぬ決意の表明と受け取ることもでき、どのような成長を遂げていくのか期待したい。2012/03/26
ドル箱
5
ん~酷評いきましょう。とても「小説」また「本」とは言えません。これは「同人厨ニラノべ」ですこれが「第48回文藝賞」とはとても思えません。文法も編集も設定も起承転結も全て「ごみ箱」レベルです。河出は何時から「自費出版社」になったのでしょう?他の作家さんに失礼と感じなかったかなぁ~ああ!そうか、お金で「文藝賞」を買ったのですね、理解しました。私は「予知」しましょう。この著者が10年後にはこの業界に「いない」事を、もし「存在」したら、手に取り再評価しましょう。それは「奇跡」です!2012/05/10
ムトー君
5
★★★★☆舞城王太郎をもっとひどくしたような独特の筆致が特徴。最初はかなり目につらいです。前衛的な絵を描いたピカソですが、実はデッサン力は相当なものがあり、基礎がしっかりしているからこそ自由な絵を書くことができたのだといわれています。 文学にも同じことが言えて、適当に思いのたけを綴っただけでは駄文ですが、練られた支離滅裂には芸術があります。 本著はどちらだろう、と考えながら読んでいました。 読み終えた感想は「悪くなかった」です。世紀末的な大地震に見舞われた今年。その年の瀬に読むにふさわしい本でした2011/12/30
蒼
4
読点がない分、臨場感があってすらすらと読めた。 若干のエログロを含んではいるものの、 そこまで気にならない。 最後はもうちょっと綺麗におさめて欲しかったけれど、 (伏線かな?と思ってたモノをスルーして置いていかれたので) 夢オチでしたーとならなかっただけ良かったかな、と。 理不尽なものに対して、人間はどうあがくか。2012/04/02
ばー
4
読んだのはかなり前。文藝賞受賞。作者は多才な方。戦闘機が突っ込んできて、リアルがたくさん現れて、平面世界に囲まれた女子高生の話。普通に面白かった。2017/01/01