内容説明
女性を忌避したと言われる賢治だが、何人かの女性の影が見え隠れする。「冬のスケッチ」などの作品や、友人、教え子の証言などから「恋人」を整理し、新発見の看護婦・澤田キヌとの関係を探り、「北のナイチンゲール」のその後を追う、渾身の書き下ろし。
目次
第1章 多面体・宮沢賢治
第2章 「氾濫」する賢治
第3章 聖職の女―第一の恋人・高橋ミネ
第4章 「冬のスケッチ」のミステリー
第5章 幻の恋人・澤田キヌの発見
第6章 告白する女、しりぞく男―第二の恋人・高瀬露
第7章 南島の熱―第三の恋人伊藤チヱ
第8章 隠された慕情―「雨ニモマケズ手帳」の秘密
第9章 北のナイチンゲール
第10章 漢口野戦病院
著者等紹介
澤村修治[サワムラシュウジ]
1960年、東京生まれ。編集者、文芸評論家。千葉大学人文学部卒業。出版社では、女性誌、小説誌、文芸図書、文庫、新書の編集にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大臣ぐサン
1
宮沢賢治童貞神話はいつ誰から発せられてどのように広まっていったのか、これを研究テーマとしたいとずっと前から思っているのだが…。2019/02/22
ぶるり
0
宮沢賢治の恋のお話。彼自身の恋、という視点から論じる書籍は結構珍しいと思います。学生時代~の恋にまつわるエピソードは面白かったです。2014/04/16
ほんのうさぎ
0
高瀬露はげしい。。2013/10/08
lovejoy
0
★★★★2022/08/30
ryochin
0
賢治に多少なりとも関わった女性たちの総記。詳細な聞き取り調査の努力は称えるべきだろうが、いかんせん細かすぎかつ脱線しすぎて意味があるのか甚だ疑問な上に、それらの情報が賢治作品の解釈や楽しみの拡大にほとんどまったく寄与していない。資料としての価値は認めるが、大枠では作者の偏執狂的な趣味に付き合わされただけと言える。2021/10/26