出版社内容情報
貴人たちの生き方は、その着るものにこめられていた。「きもの」を鍵に、物語の行間に秘められた“心”を解読する、絶好の案内書。『源氏物語』をより理解したい人のために。
内容説明
貴人たちの生き方は、その着るものにこめられていた。「きもの」を鍵に、物語の行間に秘められた“心”を解読する、絶好の案内書。
目次
夕顔と空蝉
光の君の大君姿
婚礼の花嫁たち
細長の魅力
帝のお召もの
光の君の衣配り
女楽の夜
重袿をつくる
尼姿
宇治姫
男たちのおしゃれ
少女たちの晴と褻
移り香
裳のロマン
貴人たちの旅姿
平安の華 出衣のこと
かさねの色
夏ごろも
扇のいろいろ
庶民は何を着ていたか
衣紋の周辺
色と遊ぶ王朝人
『源氏』の恋文
絵巻を見る
著者等紹介
近藤富枝[コンドウトミエ]
1922年、東京生まれ。作家。東京女子大学卒業。旧文部省、NHK、武蔵野女子大学などに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あかくま
9
光君は、センスがよくて、かっこよくて・・様々なシーンで紫式部が筆を尽くしてほめそやかしても「具体的に」どうすてきなのか、現代人の私には実はなかなか見えてこなかった。同時代人にはわかるであろう色合わせの妙、服装の斬新さがどのあたりにあるのか、わからないんである。本書を読んで「なるほど~」と思うところが多くあった。「あざれたる大君姿」は、はずしたおしゃれかあ・・。よく出てくる「細長」というのもどんなものかが疑問だったのだが、長い裾の捩れがゆらめく女心を表す・・はーなるほどー。源氏読みには一読の価値ありです。2013/08/23
そうび
3
やっぱり平安love! な気持ちがいっそう強くなった。かの時代の美しさは、透けて、ゆれて、にほふもの。ただ読んでいただけの本文描写も、解説が入ると色鮮やかになる。他の本の写真と合わせて読むと完璧。女童はアクセサリー。裳のロマン。2020/04/27
さはらさと
3
調べながら読むので珍しく数日かかった。やはりというか、明石の君のセンスの良さや夕顔のなよやかさ、春と秋のやり取りの女童のことなどが詳細に描かれている。しかし言われているように図版が欲しかった。2016/11/23
Tonex
3
服飾の観点から源氏物語の名場面を、著者の思い出話や想像をまじえながらあれこれ語る歴史エッセイ。それにしても源氏物語については、様々な切り口で書かれた本がいろいろあるなあと感心する。2014/11/29
Covastra
3
源氏物語・源氏物語絵巻の着物の解説書。カラーの写真での補足がやっぱり欲しい2011/11/16