出版社内容情報
幕末、龍馬より先に議会制政治を構想し、龍馬より少し前に暗殺された男がいた。歴史に埋もれた赤松小三郎という男の鮮烈にして壮絶な、夢と挫折の生涯をはじめて描く傑作時代小説。
内容説明
幕末、もう一つの夢。もう一つの悲劇。龍馬に先駆けて議会政治をとなえ、龍馬より先に暗殺され、以来、歴史に埋もれた志士の波乱にみちた短い生涯をはじめて描く時代小説。
著者等紹介
江宮隆之[エミヤタカユキ]
1948年生まれ。『経清記』で第13回歴史文学賞受賞。『白磁の人』で第8回中村星湖賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
6
龍馬の影と言われると微妙です。赤松小三郎は和算が得意でそこからオランダの数学そして語学に政治に触れ、最終的にはイギリスの方から学び、龍馬に先駆けて議会政治とかを唱えた人です。ただいろいろと不運な人で表舞台には立てなかったし、本編では少し龍馬と比較しすぎです。英国歩兵連法を訳し、それをもとに兵学も教え、門下生には東郷平八郎などもいたとはびっくり。最後は弟子に暗殺されてしまうというのが悲劇です。目立たないですけど、幕末にはまだまだ知らない有能な人物がいるかもしれない。2023/02/09
maito/まいと
2
ちょっと龍馬と比較しすぎなのではないか?と‘龍馬の影’がかえって気になる1冊。主人公の小三郎が、努力と探求心で歴史の大きなうねりを作ったのは大きなポイント。そして、後に続く人材を残したことは龍馬以上の功績だと思いました。2010/02/25
うつせみ
0
赤松小三郎を主人公とした唯一の長編小説という意味では価値があるのだろうが、記述が全体的に薩長寄りすぎる印象(日米修好通商条約に関しての部分とか)。あと、小三郎が山本覚馬や西周との交流を通じて、「御改正口上書」を書き上げる過程も描いてほしかったと個人的には思う。