出版社内容情報
小林秀雄、吉田健一、堀口大學、中上健次……30年間文芸編集者として密な関係を作った今は亡き作家たちの言葉が四季の移ろいに蘇る
内容説明
気鋭のノンフィクション・ライターが軽い気持ちで句会に参加して見えてきた驚くほど豊かな日本語の魅力。
目次
七五調は日本語になじむ
一服の清涼剤としての洒落
言葉の裏側に隠されたメッセージ
二つの世界と言葉の出合い
ユーモアを生み出す感覚
俳人の散文力を見極める
対象をじっくり観察する
一片の真実を含んだ言葉
オリジナルな言葉を捻り出す
ぜんぶ言わないという美学
物事を反対側から眺める
短い言葉に凝縮させた人生
著者等紹介
足立紀尚[アダチノリヒサ]
1965年兵庫県生まれ。明治大学文学部卒。毎日新聞記者、高校教師をへて、ノンフィクション・ライターに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pirokichi
19
散文を生業とするノンフィクションライターが、1年間句会に参加して、韻文の世界から知ることとなった日本語の表現世界の魅力について綴ったもの。さまざまな文学作品を引用しており、興味深く読みごたえがあったが、句作はもっと気楽でいいのにとも思った。句会の指南役は俳句結社「炎環」主宰の石寒太氏。皆で自由に意見を言い合える句会で楽しそう。私は吟行中心の会に参加しているが、コロナ禍のためオンライン句会ばかり。リアル句会が出来る日が待ち遠しい。2022/02/26
Mimi Ichinohe
0
ノンフィクション作家の俳句初心者1年の記録。散文と比較して俳句の持ち味を探究したり、勉強熱心。ただ、基幹が俳句なので、追求がトンガリすぎに感じました。もっと文章もおおらかに表現した方が俳句との取り合わせにいいなと思いました。俳句にユーモアを取り入れるときも、受け入れられるかられないかはわからないけどよし勝負という勢いで可笑しい。ユーモアって身に付いたものが深いところからふわっとでてきて表現されるものな気がするのでそんなに意気込まなくても。2013/08/18
デコボコ
0
ノンフィクション作家が1年間句会に参加し、その描写を通して、俳句をテーマに日本語全般を語る。 たまの毒舌は気になるが俳句に興味がなくても楽しめる。というか、俳句への興味を喚起する本だと思う。 著者も素人なので、俳句素人に優しい俳句本になっている。つまり、プロ俳人のように「この句からはこのような情景が浮かんでくる。だから素晴らしいのですよ」と上から1通りだけの読み解き方を説明するのではなく、本書は「ある句会参加者はこう評価していて、他のある人はこう反論し、でも自分はこう思う。どうだろうか」と、読者と同じ高2013/04/21
kinaba
0
『俳句』 http://book.akahoshitakuya.com/b/4061586319 を読んだ後では凡百の俳句論はすべて霞んで見えてしまうなあ、というのが正直な感想です。俳句ってそんなに曖昧で感性だけによった世界じゃない、そんなところで立ち止まっていてはもったいない。2012/12/14
やま
0
句会のやりとりが面白い。2008/08/31