内容説明
28歳・高橋の「仕事探し」と「猫探し」の日々を描くとびきりの青春小説。第44回文藝賞受賞作。
著者等紹介
丹下健太[タンゲケンタ]
1978年、愛媛県に生まれる。現在、京都在住。2007年、『青色讃歌』で第四四回文藝賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
77
マリーの床を引っ掻いた跡…その一文で猫の味わった苦しみが身体中に広がる。何気ない日常が綴られるなかで、何気ない中の感情がこういうのを通して書かれている。猫を探す…それに被せるように自分探し、という表現。今の時代そのものかもしれない。つかみどころのない、自分というものをはっきりと表さない、何かいつも抜け道を用意するような…。猫の死だけがゆるく流れてきた物語の中で現実的な場面だった気がする。う~ん。2014/03/23
ばー
6
第44回文藝賞受賞作。就活中の主人公と同棲中の彼女とその周辺の生活。若い言葉遣いが生々しく瑞々しく、現代って感じがする。話のメインは猫探しだが、ストーリーはあって無いようなもの。なんでもない日常を切り取った描写に時折はっとさせられる。最低限の言葉で物語を進めていくのが上手い。別段何が起こるという話でも無いが、それがまた心地よい。子供の描き方もうまいと思う。2014/09/14
...
6
ブコウスキー風だが、こちらの方が作為的というか、うまく人を動かしている感じ。そしてそこが、うまく好きになれない。2013/03/18
keiniku
4
読んでいるうちに、はは〜ん、と思った。『青色讃歌↔赤色エレジー』アニメーターならぬフリーターカップルが同棲している話で『哀歌(エレジー)』ではない。 お互いに、変に距離を取り、相手に直接というよりは常に間接的に、関わっている部分がある、相手に直にではなく、何か一つ薄い膜を通して。それが『石』なのかもしれない。ウエットではないのだが、猫の真実に触れる事で、相手にしっかり触れるようになっていくのか? 僕としてはもう少しガッツリした物語が読みたい。2021/10/21
金平糖
3
A。2018/03/16
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