内容説明
3人のハルよ、世界を乗っ取れ。暴走する世界。疾走する少年と少女。この物語は全ての物語の続編だ。
著者等紹介
古川日出男[フルカワヒデオ]
1966年、福島県生まれ。98年『13』で作家としてデビュー。2002年『アラビアの夜の種族』で第55回日本推理作家協会賞、第23回日本SF大賞をダブル受賞。2006年『LOVE』で第19回三島由紀夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Roy
25
★★★★+ 山道でびゅんびゅん飛ばしてドライブしているような危うさがある。文節は短く切られ、風の如し。考えろ、感じろ、突き抜けろの山の合間からは言葉という石が落下し、車体を突き抜け頭やら内臓やら理性やらに負荷がかかる。ってか潰されてぎゅーんと痛い。危うく即死?どうりで落石注意の標識がある。構わん、走れ。2009/06/10
麦踏
20
例えば私のmusicはサザン、ユーミン、佐野元春あたりで止まった。24で息子を産み、それらはにこにこぷんやトトロに変わった。『モテキ』見て「こういう音楽いいね」と言ったら、息子がモテキ風のプレイリストをiPodに入れてくれた。くるり、ナンバーガール、ゆら帝。【発狂した飼い猫を川に捨てに】も【頭搾って滲み出た緑の液体が僕のすべて】も声と音楽があれば染み込む。けどまだ日出男の声と音楽を私は感じられなかったんだ。「ハル、ハル、ハル」の夜が分解して、ルールを破って、絶叫して、解放する、は好きだなぁ。絵が浮かぶよ。2017/03/22
赤字
19
図。鈍器などで殴られた事はないが、これはそういった感覚なのだろうか?これは読書という行為なのだろうか?正直、理解は全然できていない。こういった経験はした事がなかったのような気がする。古川日出男って読む人を選ぶ作家だよなぁ、って改めて思う。最高なのか最低なのかは理解できたつもり。生きろと言われた。解放感。スピード感。2010/12/18
紫伊
14
お腹の底に日々たまっていくごちゃごちゃした感情。それらがわっと爆発して駆け抜けていくイメージ。絶叫に近いのかも。ストーリーが好きというよりもこの方の描く文章に惹かれる。なかでも「ハル、ハル、ハル」の短編にはまた戻ってくる気がする。2019/01/08
ぐうぐう
13
古川日出男ほど、書くということに、語るということに、自覚的な小説家はいないのではないだろうか。その自覚の果てに出来上がった小説は、結果として読者に対する挑発に繋がるようでいて、実は違う。あくまでも、書き手と読み手という文学の構造に対する挑発なのだ。つまり、古川日出男を読む私達は、彼が仕掛けるテロへの共犯者となっているということだ。2010/08/05