内容説明
史実を超えた物語のたくらみの中江戸の庶民、職人、女性たちが生き生きと語り、つむぎだすまったく新しい「時代小説」傑作選。
著者等紹介
海野弘[ウンノヒロシ]
1939年、東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、評論活動に入る。『江戸の夕映』は『江戸ふしぎ草子』(第三回斎藤緑雨賞受賞)、『江戸星月夜』『江戸よ語れ』『江戸妖かし草子』『江戸まぼろし草子』に続く姉妹編・完結編
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感想・レビュー
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Die-Go
38
図書館本。 江戸の小咄を再編して、語る。一つ一つに人情とどことなく悲しい物語。新選組話も一つあり、これはこれで良かった。★★★★☆2023/04/21
こまったまこ
5
とても良かったです。風情がありました。どのお話も江戸時代に書かれたお話を基に書かれています。主に庶民が主役なお話で江戸の食べ物風俗風景などが伝わってきて味わい深いです。情感のある良いお話が多くもっと長く読みたいと思う作品もありました。櫛のお話とか。江戸シリーズで他にもあるようなのでそちらも読みたいと思いました。蛇足ですがこの作者様と江戸が結びつかなくて戸惑いましたが趣のある作品に仕上げる腕はさすがだと思いました。2014/01/11
いくっち@読書リハビリ中
4
海野弘と江戸というイメージが湧かないのだが、タイトルに惹かれて借りた一冊。資生堂の冊子「花椿」で連載したコラムをまとめたもので、シリーズ6冊目最終巻なのだそう。知らなかった。江戸のあるテーマを挙げそれにまつわる小噺的な短編で、それぞれの物語の登場人物に繋がりはない。ここからもっと広げたらいいのにという話が多いのが物足りず残念に思うも、後半になるにつれて小噺ではなく小説と変わってくる江戸風景にホロリときたりもした。普通の小説ではスルーされがちな名称も登場して勉強になりました。2010/01/13
風鈴
2
江戸の庶民の哀感がしみじみと綴られもう少し長くても良いかなと思ったほど。櫛、蕎麦切り、魚屋の話江戸の街に迷いこんで話を聞いてるような気がした。幕末の動乱を最後に江戸は終わったが江戸への郷愁は我々の中に残り時代小説はずっと愛されているんだなと。2018/05/09
tohoho
2
江戸期の種本をヒントに、江戸の庶民や職人、女性を中心にした短編集。馬爪、相模のわんこそば等、各作品後に記されるコラムが参考になる。2013/01/02