内容説明
岡田甫『川柳末摘花詳釈』、高橋義孝『新つれづれ草』、『吉野秀雄全集』、『三枝博音著作集』、山本周五郎『青べか物語』…山口瞳流しっかり読書術。全編単行本未収録エッセイ集。
目次
1章 一冊の本(読書について;活字中毒者の一日;小説家の業のようなもの―ショート・ショート論 ほか)
2章 先生先輩兄貴分(“正確”と“厳密”を学ぶ―高橋義孝先生の二つの随筆『随筆日本再発見』『日本旅情』;解説―高橋義孝『新つれづれ草』;真の人 ほか)
3章 同輩後輩(相馬繁美さんのこと;男は、…―諸井薫『夕餉の支度の匂いがする』解説;序―田沼武能写真集『文士』 ほか)
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926年、東京生まれ。小説家。寿屋(現・サントリー)で広告制作にたずさわり、後に作家生活に入る。1963年、「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞受賞。1979年、「血族」により菊池寛賞受賞。『週刊新潮』の1963年12月2日号より始まった連載「男性自身」は1995年8月31日号まで31年9ケ月、休載なく1614回続いた。1995年逝去
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感想・レビュー
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さっちも
12
親の病気、その為に生じる長野と京都への往復と出費。相変わらずうまくいかない仕事、増える酒量。疲れが抜けない身体。何かが間違っているのだけれど何も変えられなく、ゆっくりと沈んでいくような心地で過ごしている。そんな中、これ以上ない慰めと幸福を覚える読書でした。好きな作家の好きな本の書評が読めて至福。きだみのるとか司馬遼太郎とか、そのように解釈するのかという地平を開かせてくれた。2020/12/12
ねこつり
2
山口瞳の作家評、読書評。とても読みやすい文章。実際に触れはせずに多くの読書をこなした気分。紹介されているなかで、いくつか読んでみたい作品があった。とても食指が動いた大下弘の青バット日記『球道徒然草』は絶版になっていた。がーん。2009/06/13