内容説明
『春と修羅』「銀河鉄道の夜」等を内在的に総検証し宮沢賢治とその影響に徹底的考察を加える空前の試み―現代の抑圧された人びとの存在から再構築される世界の真の全体像とは?孤高の作家による思考の一大交響楽。
目次
1 圧制の夢想者、あるいは死の大審問官(「宮沢賢治」の現在;宮沢賢治―死の大審問官;圧制としてのファンタジー ほか)
2 自己犠牲という名の欺瞞(一九九九年のグスコーブドリ;「よだか」はなぜ醜いか(ノートG)
自己処罰・自己放棄・自己犠牲と、自己回復・自己実現・自己覚醒(ノートH) ほか)
3 生の一回性について(四月の旗;歴史の著作権は誰のものか?;「死の功利性」にまどろまないこと ほか)
著者等紹介
山口泉[ヤマグチイズミ]
1955年長野県生まれ。1977年、「夜よ、天使を受胎せよ」で第13回太宰治賞優秀賞受賞。1989年、「宇宙のみなもとの滝」で第1回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞
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