内容説明
愛情の代価…魔王の機械…ンダギの民「あ」から「ん」まで―45の国をめぐる人跡未踏の旅。見たことも聞いたこともない45の物語。
著者等紹介
佐藤哲也[サトウテツヤ]
1960年生まれ。93年、『イラハイ』で第五回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九鳥
8
図書館本。すべての物語が同じ書き出しで始まる、異国に住む異人たちの奇妙な物語集。冒頭が一様な分、最後のオチに力が入っていて、ときどきびっくりするような一文に出会う。声に出して笑う感じでもなく、お腹におかしみが燻ぶる感覚。「海老の虐殺」にじわじわと擽られ、「帝国の逆襲」にしてやられ、「内戦の惨禍」「魔王の機械」の風刺に苦々しく笑い、「老人の偉大」に幻惑された。2009/10/05
三柴ゆよし
7
処女作『イラハイ』もそれは奇妙な物語だったが、本書もまたそれに劣らず奇妙な物語(集)だったのである。一読、不条理な寓話集かと思うに、実際は然にあらず。諷刺あり、パロディあり、ブラック・ユーモアあり、多種多彩な物語の満載された、なんともおかしな掌編集なのであった。あえていえば、カフカの断章+初期の筒井康隆といった感じか。個人的には、「帝国の逆襲」、「海老の虐殺」あたりがお気に入り。『イラハイ』の無意味さ・バカっぽさが好きな人は是非どうぞ。2010/06/08
ふノ字
2
一国に付き一編づつ綴られた50話からなる短編集。今回は一気読みしちゃったけど、一作づつゆっくりと味わいたい本でした。2008/12/05
いさ
1
キノの旅大人向けverと言う感じです。「あ」から「ん」までの一文字をタイトルの頭文字に、1話完結の小話が続きます。何故か金融系の豆知識が身に付きます(?)「帝国の逆襲」が素敵すぎたので、6作全部やってほしいです。2012/10/18
黒とかげ
0
ものすごい小説だった。頭が悪いため、うまく表現できないが、とにかくものすごい小説だった。一つ一つのエピソードはさして面白くないが、全部読み終わった後に、世界の全てを知り得たような気分になった。2017/11/10