内容説明
夏休み。夫・高貴の田舎へ帰郷していた元監察医の夕子が目を離した一瞬の間に、愛娘の由利は、突如として姿を消した。警察と村人による大捜索、連日のマスコミ取材。しかし、由利が見つかることはなかった。そして、夫も夕子のもとを去って行く。由利と高貴を失ったあの夏の日から2年―。監察医として再び職場に復帰した夕子のもとへ、「高貴の実家近くの家が家事で全焼し、床下から子供の白骨死体が見つかった」という警察からの連絡が入る。白骨死体は、はたして由利のものなのであろうか?その美しい文体とトリックで医学博士・上野正彦氏を唸らせた至極のミステリー、ここに刊行。
著者等紹介
水月佐和[ミズキサワ]
武蔵野女子大学文学部英米文学科卒業。1995年『深海の天女』で第54回コスモス新人文学賞受賞。翌年、法律事務所を退職。1997年『紅葉川』(秋桜社)でデビュー
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