内容説明
より官能的で宿命的な恋の闇深まる「はたち妻」「舞姫」「春思」を、俵万智が思いを重ねて、大胆に甦らせる、チョコレート語訳完結篇。
目次
はたち妻
舞姫
春思
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uD
9
575のリズムで読まずにはいられない。2018/05/19
紫陽花と雨
8
与謝野晶子の情熱がすごい伝わる本でした。あとがきにも書いてあるけれど、この短歌が全て与謝野鉄幹への想いが詰まっているのかと思うとすごいなと思う。そして明治の言葉は、もう訳がないとスラスラ読めないんだなと痛感。素敵な訳をつけてくださった俵万智さんに感謝です。この本があったので復刻版が楽しんで読めました。万智さんの短歌、やっぱり好きです。「いまさらにそは春せまき御胸なり」われ眼をとぢて御手にすがりぬ(「ひきかえすなんて今さら言わせない」目を閉じて君に飛び込んでゆく)2017/03/06
稲森
6
与謝野晶子の一途で何の駆け引きもない情熱的な愛を感じました。晶子可愛いよ晶子。2012/07/21
前田まさき|採用プロデューサー
5
本書の試みは、「意味を理解してもらうための訳」というより、「晶子の短歌の匂いを感じてもらう訳」というのを目指したつもりだ。もちろん、ある程度は言葉の交通整理をして、もとの歌の極端なわかりにくさは解消した。そのうえで旬いを残すことは、とてもむずかしい。……。翻訳をしている私自身も、短歌を作る一人の人間だ。だから三十一文字に言葉を紡ぐときには、自分流がどうしても出てしまう。それを無理に消そうとすると、リズムがぎくしゃくしてしまって、かえって不自然だ。だったらむしろ、楽しんでしまおう、と思った(p.155)。2019/12/31
あかいろ
5
一人の人に恋をして、こんなにもカラフルなたくさんの詩を一人で詠んだのだと思うと、それはシンプルにすごいことだと思う。原文だと難しくて意味をとれなかったが、チョコレート語訳をどちらも読んで、改めて原文「みだれ髪」に挑戦しようと思う。2015/03/05
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