内容説明
夢と夢の結婚、小説家夫婦の普通の生活と普通ではない生活、二人をめぐる時代の嵐…歳月に磨かれ、澄明に結実した感動の証言!没後25年、たち顕われる高橋和巳の真実。
目次
夜の海辺で
いっしょに住んだ、いろいろな住居
夢と夢の、結婚
普通の、生活人
普通ではない、生活人
なぜ酒宴になるのか?
反・私小説
学園紛争への、私の怒り
高橋家のこと
墓〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
もりくに
43
60年代後半から70年代初頭の「高橋」姓の作家で真っ先に名前が挙がるのは、「高橋和己」だ。彼は1971年5月3日、40歳の若さでこの世を去った。このニュースが流れた時、札幌は季節外れの雪が舞っていたので、とてもよく覚えている。この死は「時代への殉死」だという思いが、頭に浮かんだ。その半年前、三島由紀夫が別の意味の「殉死」を遂げている。この本は妻の高橋たか子さんが、1977年に坂本一亀さん(元 文藝編集長 坂本龍一の父)の進めで書いた「高橋和己の思い出」から20年経ち、時の経過で掴めたことを書いた本。→ 2020/10/17
kaoru
36
高名な作家だった夫君の死の25年後にたか子さんが綴った思い出。若くして運命的に出会い、使い古された言葉だが糟糠の妻として夫を支えた。「夢と夢との結婚」は周囲の環境に浸食され、「土足でなだれ込んでくる人々」に苦しめられる。京都に赴任した夫君が巻き込まれた学園紛争についても冷静に批判する。時代の流れとは別に著者は夫君の思いを絶えず感じ取っていたように思う。『遥かなる美の国』は完成せず「ベアトリーチェみたいな女性」も夫君の心に描かれたのみだった。宿命的な結びつきのこの夫婦を、所収された写真が雄弁に語ってくれる。2020/10/27
tom
16
図書館散歩で拾う。大昔に読んだ高橋和巳について奥さんの高橋たか子さんが書いた本。彼女が書いたものは途中で投げた記憶しかないけれど、高橋和巳の「邪宗門」は熱中した。けっこうすごい本だった記憶がある。高橋和巳がどんな人だったのかを知りたくて読んでみた。でもこの本、彼らが小説を書いていた時代の男たちの無自覚な言動に対する怒りの書であるらしい。この本では高橋和巳のことは分からない。著者の「高橋和巳の思い出」を読んでみようか。それとも「邪宗門」を読み直してみようかなどなどとちょっとだけ思案した。2026/04/13
風に吹かれて
16
1997(平成9)年刊。あとがきの日付は、『1996年8月30日(もし和巳が生きていたならば、この日付で満六十五歳)』(p173) 社会には様々な小説家がいて欲しいと思う。世の中の動きや人事から超然としたものも読みたいし、社会と寝て(三島由紀夫の言葉だったと思うけど…)いるようなものも読みたい。そして、意識の奥の美しい湖かも知れないし不透明な泥の沼かも知れないが、そういうものを持つ人間が社会に生きている姿を描いたのが高橋和巳だと思っていて、決して忘れてはならない小説家だと思っている。➡2020/10/29
チェアー
16
メモに書いてはちぎって貼り付けているという感じの文章で、読みやすくはない。情念が先に立っていることを感じ、高橋和巳のことを語っているようでも実は自分のことを語っている。しかし、高橋和巳をまた読みたくなるという点では効果が期待できる。2017/11/07
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