内容説明
小さな石たちが語る、巨大な迷宮の世界。恋する石、石の夢、石の薬効、食べる石…、石をめぐる古今東西の豊饒な伝説。
目次
石のなかの絵
石の雨
恋する石
柘榴石の魔力
石の夢あるいは木内石亭
石の薬効
食べる石
産む石
世紀末の石
贋の石
孤児の石
呪われた石
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
もれ
2
初めての種村さんの本を読みました。私が尊敬する山口小夜子さんが鉱物がお好きで、種村さんの本も読んでいたそうでそれがきっかけとなりました。こんな博識で文章がなめらかで素晴らしい作家さんを知れてとてもよかったです。 雑誌に連載されていた文章をまとめた本らしいですが、数ページの間で振り子がスイングするように話が展開していて驚嘆。 石の深い世界に魅せられました。なんども繰り返し読み、絵を堪能しています。2017/01/10
アヴォカド
2
さすが種村センセイ。「ただの石」なのに(「ただの石」だからこそ?)、ちょっとこわくて、不思議で。記憶がみっしり詰まっている。2014/12/26
保山ひャン
1
バルトルシャイテスの「石のなかの絵」、迷信扱いされた隕石、メリメの「イールのヴィーナス」、ホフマンの「ファールーンの鉱山」、木内石亭、緑柱石の薬効、石麪(いしそうめん)、石を産む、石が産む、ゲオルゲがモデルにしたルートヴィヒ二世、チェッリーニ自伝、アルベルトゥス・マグヌス『鉱物論』、三位一体の象徴にして両性具有の石「アーベン」、神罰で石になるヌンムテリス(扁豆石)、などなど。タイトルのやさしさとはうらはらな博覧強記。2015/07/25
メイロング
0
品のいい本。これは文庫化しちゃダメだね。イラストを堪能するため、もっと大きくてもいいくらい。文章も素敵。河出文庫の種村コレクションはやや内容が重たいので、初種村季弘ならこっちの方がすすめやすい。隠れたいい本、発見。2015/11/26
bunca
0
石のイラストが細密で、あとがきを読むまで写真かと認識していた。 種村さんの博覧強記ぶりが見れる石のエピソードも面白かった。2025/01/17




