内容説明
激動の20世紀前半の全世界を駆けめぐった作家モームの意外な素顔。第一次世界大戦中のジュネーブ、ロシア革命前夜のサンクト・ペテルブルグ―はたしてモームの諜報活動はこれだけだったのか。海外進出をうかがう日本と周辺諸国への度重なる旅、ナチス抬頭期のヨーロッパや全世界への旅。青年秘書を連れたこれらの旅は、ほんとうに単なる作家活動だったのか。長年の研究と地道や取材で綴るノンフィクション。
目次
1章 ビクトリア女王朝の粛清
2章 第一次世界大戦勃発
3章 南太平洋
4章 モームとロシア革命
5章 ABCD対日包囲網構想
6章 第二次世界大戦前・戦中
7章 第二次世界大戦後
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャム
2
読むと筆者の熱狂的なモーム愛を感じることができる。 しかし、素人の意見だが、筆者の推測は時に妄想に近い部分もあるように思えた。モームの作家、ホモ、スパイという3つのマスクは大変興味深かった。2021/04/20
伊勢田和良
0
田中一郎「秘密諜報員サマセット・モーム」を読みました。発行は1996年です。 モームに心酔の著者がスウェーデン大使館員として勤務の傍ら、モームの足取りを追って、様々なエピソードを集め、独自のモーム論を展開しています。 スパイとして、またホモセクシュアルとしてのモームに重きをおいた考察です。モームは、小説「アシェンデン」で自らイギリスのスパイとして活動したと述べていますが、その活動歴はもっと多く深いものであったのではないかと持論を展開しています。 1920年前後の来日目的2015/05/20
gender
0
文豪サマセットモーム。熱狂的なモームファンの著者が口舌鋭く3人のモームすなわち、白のハットをかぶる旅の作家のモーム、黒のハットをかぶる007ばりの英国諜報員のモーム、そしてピンクのハットをかぶる世間から忌避されるべき同性愛者のモームの波乱万丈なその人生を記している。自分は「月と6ペンス」と「人生の絆」しか読んだことはないのだが、やはりモームは作品はさることながらその作家そのものの人生や人間性が非常に魅力的すぎるのだろうなあ。2013/11/29
半べえ (やればできる子)
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★★2021/07/07