内容説明
時は平安の世、広才の士と仰がれた小野篁は美しきこと世にまれな、年若い女に恋をする。しかしその女は、篁の“異母妹”だった。みずからの命をすりへらし、来世で出会うことに望みをかける女。だが男は、罪深き恋ゆえに、のちの世で会うことも叶わぬことを知り、現世に女の魂を永遠にとどめようとする。二人の恋の忘れ形見、小野小町。恋を遠ざけ続けた彼女は、やがて自分の中に封じられたさらなる悲劇を知ることになる…。夜ごと地獄の庁に座す魔性の男、小野篁。その女(むすめ)、小町。平安京の闇に葬られた小町の悲恋とは。呪われた一族の血とは。『東京魔方陣』の著者による話題騒然の伝奇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
32
1673-104-45 初読み作家341人目。本来こういうストーリーは好きなはずなのだが文体が読みにくくて内容が頭に入ってこない。。。2017/06/23
たけはる
6
加門七海の文章が無性に読みたくなって。平安時代が舞台なのでこちらを選びました。小野篁と小野小町、在原業平の伝説が哀切かつ耽美な文体で表現され、なんともやるせない気持ちになります。ずっと濡れた夜の中を歩いているような暗さは、じっとり湿った今時季の宵などに読むにふさわしいものでした。2023/08/15
Junichi Watanabe
3
#読了 。古文調の独特の文章、昔の言い回しも多く少し読みづらい。平安時代の参議で冥府の官と言われた小野篁とその娘(本当は孫)小野小町が主人公。2023/04/21
ごとうさん
2
和歌の名手、そして絶世の美女として名を馳せた小町は、人なのか人ならざるものなのか・・。小野篁の悲しい妹との許されない愛と妄執が原因となり、この悲劇の話が始まる。永久を求めるからこそ、永久に結ばれぬ結果になるのが何とも哀しい・・。ストーリーは別としてなかなかに手ごわい文体でした。2013/03/28
とことこ
1
独特の雰囲気でちょっと読みづらかったかも。私にはあんまりこっち系は難しいかもしれない。2011/07/12