内容説明
フーコー、ドゥルーズ、デリダらにはかりしれない影響を与えた巨星アルトー、その壮絶をきわめた生涯の最後を小説として描きつつ、彼の思考の核心をしめす異才による新しいスタイルの文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どらがあんこ
11
『神の裁きと訣別するため』に登場する器官なき身体という概念で片付けられるような人物ではない。捉えられることのできないスピードの中でコード化されたネットワークから 逃走線を引こうとしたアルトー。それを踏まえてⅣ章の講演会のシーンを読んでみるとアルトーは押さえつけようとしている私達に問を投げかける。そこでは読者は簡単に共犯者になるのだ。2019/03/07
GothicCrown
0
小説の書き口で書かれた晩年のアルトーの伝記。その多数はアルトーの著作からの引用かと思われるが、詩的で魔術的な語句が美しく、小説として読んでも差し障りない。2019/07/02