内容説明
日本および日本人の精神を鋭く問うた三島由紀夫が衝撃的に自決してから20年。その三島に決定的な影響を与えた男・国文学者蓮田善明もまた、日本敗戦の混乱時、シンガポールにおいて、連隊長を射殺し、壮烈に自死していた。その死にまつわる謎を解き明かしつつ、「日本」という〔伝説〕に迫る!
目次
第1章 その死をめぐって(自決をめぐる謎;小高根二郎の死;射殺されたもの;対馬行;職業軍人・中条豊馬の思想)
第2章 「死の文化」(大津皇子の発見;「死の文化」をめぐって;新風;たった一人の戦い;日本=古典という原理;死に赴く生)
第3章 戦後神話のなかで(死に赴く生・再び;「もの倦い生活」への苛立ち;「政治」の否認;伊東静雄「ひとりで死にやいいのに」;三島由紀夫の自決)