渋沢龍彦考

渋沢龍彦考

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  • サイズ A5判/ページ数 241,/高さ 21X16cm
  • 商品コード 9784309006055
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

故・渋沢龍彦の若き朋友であり、仏文学者・批評家として共通の領域にかかわってきた著者が、鋭い分析と観察によって明らかにする作家の本質とその変貌―そして〈航海〉。

目次

渋沢さん―回想記
「旅」のはじまり
『サド復活』のころ
ある「偏愛的作家」について
既知との遭遇―美術エッセー
ユートピアの変貌
望遠鏡をもった作家たち
『神聖受胎』再読
ノスタルジア―1970年代
城と牢獄
晩年の小説をめぐって
「庭」から「旅」へ
渋沢龍彦と「反時代」
渋沢龍彦とシュルレアリスム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

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1
旅も目的地も死も、全ては入れ子構造であり、城とも牢獄とも見えたその堂々巡りの中心は天竺ですらなく、時間の中に消えた。夢の中でまた夢を見る。未知と既知、千年王国とユートピア、コラージュと遠近法、ダンディスムとエクゾティシズム。澁澤龍彦という人間があまりにも鮮やかに読み解かれると同時に、澁澤を失った巖谷先生の悲しみの大きさ。庭から旅へ。未知への旅は死という目的地に向かっていたのではない。むしろこの航海記には終わりがなく、生き続けていると思いたい。2017/05/18

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澁澤龍彦の良き友人であった著者にして書けた澁澤論。著者は澁澤とは15歳ほど年齢が離れ、また同じ仏文学者ながら専門と感心が少しずれていたのが奏功したのか、それによって絶妙な距離感を持てているように感じた。一般的な澁澤論は、澁澤の特徴を観念をオブジェのように収集するスタティックな精神の持ち主として描きがちだが、この著者はむしろ旅へと関心を向けていった晩年の小説群や、文壇登場直後のアクチュアルな評論家としての澁澤に着目し、興味深い澁澤像を描いている。また、長年の交友の思い出も描いていて、澁澤の人となりも知れる。2013/06/24

澤水月

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910817

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